『エイリアンVSジョーズ』映画とは画と画の繋がりで物語るものである

エイリアンVSジョーズ(2020)
Shark Encounters Of The Third Kind

監督:マーク・ポロニア
出演:タイタス・ヒムルバーガー、ナタリー・ハリード、ジェニー・ルッソ、Steve Diasparra、ジェフ・カーケンドールetc

評価:70点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

映画系VTuberの映灯十色さんと萩野ナイトさんの同時視聴配信にて、以前から興味あったサメ映画『エイリアンVSジョーズ』を観賞した。

『エイリアンVSジョーズ』あらすじ

アメリカのとあるビーチで人間の死体が発見される。当初はサメに襲われたと思われていたが、検死の結果、死因は焼死である事が判明する。実は被害者は宇宙人に殺害されていたのだ。本格的な地球侵略を開始した宇宙人はマインドコントロールでサメを操り、町の人々は次々と犠牲になっていく。前門の宇宙人、後門のサメ!史上最大の危機を人類は乗り越えられるのか—。

※Amazon Prime Videoより引用

映画とは画と画の繋がりで物語るものである

この手の映画は、他の映画では観られないような演出の妙が楽しめるので、こういう映画ほど襟を正して観る必要があると考えている。実際に観てみると、サイレント映画でも通用する、滑稽なエイリアンと人間とサメのじゃれあいが楽しめるのだが、なんといってもUFO造形が素晴らしい。緑と赤のライティングに彩られた空間にエイリアンが目を細めて立っている。エイリアンは、謎のディスプレイを触りながらUFOを操作する。人間の文明とは異なるが、直感的デバイスを用いてUFOを操作していく姿は、iPhoneの存在を知らない人が初めてiPhoneを見た時に「板を使って何か操作をしている」と感じる様子と重なる。つまり最先端すぎる技術を目にすると、魔法に見える現象を的確に表現したシーンといえる。

さて、本作では奇怪な海の発光や宇宙人が操作する猫の目線描写など視覚的魅力に溢れた作品であるが、最も注目すべきポイントは「映像の使い回し」である。ナショナルジオグラフィックを彷彿とさせる海の画はもちろん、マーク・ポロニア監督の別の作品である『ランドシャーク / 丘ジョーズの逆襲』の映像を執拗に使い回しているのだ。時には、島の空撮映像を逆再生させ、あたかも別の画と見せかける場面もある。同じ画を並べたら物語は進行しないのではないか?しかし、映画は確実にエイリアンと人間とサメの戦いへともつれ込む。

これを踏まえると、映画とは画と画の繋がりで運動を引き起こすものであることがよく分かる。例え、同じ画でもその直後に挿入される画が違えば異なる物語が紡がれるのだ。これぞモンタージュの実践例ではないだろうか?

たまにサメ映画を観ると新たな発見があるなと思いました。

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※IMDbより画像引用