Never Goin’ Back(2018)
監督:オーガスティーン・フリッツェル
出演:マイア・ミッチェル、カミラ・モローネ、カイル・ムーニーetc
評価:65点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
ここ数年日本でもA24製作or配給作品が注目されています。『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』、『スイス・アーミー・マン』、『アンダー・ザ・シルバーレイク』、『アンカット・ダイヤモンド』などといった変わった映画も大抵日本で紹介されています。しかし、実はA24映画の中にはまだ日本紹介されていない作品があります。今回は『Never Goin’ Back』観たので感想書いていきます。
『Never Goin’ Back』あらすじ
Jessie and Angela, high school dropouts, are taking a week off to chill at the beach. Too bad their house got robbed, rent’s due, they’re about to get fired, and they’re broke.
訳:高校を中退したジェシーとアンジェラは、1週間の休暇をとってビーチでくつろいでいた。しかし、家には泥棒が入り、家賃は滞納され、解雇されそうになり、一文無しになってしまいました。
誕生日を一緒に過ごしたいだけなのに
アンジェラとジェシーは高校を中退してアンニュイした日々を送っている。そんなある日、ジェシーの誕生日を祝うためガルベストンの旅のプレゼントを思い立つ。お金を稼ぐために、家賃から旅行代金を捻出したり、アルバイトの時間を増やしていたりしたのだが、ルームメイトが麻薬の売買で家賃を使ってしまったことから連鎖的に不幸が押し寄せる。誤解によって、男に家は破壊され、警察に麻薬を見つけられてしまいブタ箱に入れられてしまったりとなかなかアンジェラとジェシーは思うような時間を過ごすことができないのだ。
本作はゆるいタッチでありながら、治安が悪い場所で暮らす行き場のない状況を辛辣に描いている。彼女たちに安全な場所はなく、時と場所が悪ければすぐに警察に捕まったり仕事をクビになったりする。そして絶望の淵に人が立たされる時、それは犯罪に足を向けてしまう。
たまに、不景気下において「みんな貧しくなれば、みんな幸せになる」という発言をする人がいるが、それは間違っている気がする。経済的豊かさは、心理的豊さに繋がる。そして、危険と隣り合わせな生活から脱却することができるのだ。
『アメリカン・ハニー』でゆるいながらも希望を捉えた作品を紹介したA24が『NEVER GOIN’ BACK』ではゆるいながらも絶望を描く。タイトル通り、「二度と戻りたくない」生活の肖像がここにありました。
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※imdbより画像引用