ATフィールドを破り、真希波・マリに接吻する虫を大阪エキスポIMAXで見た話

こんばんは、チェ・ブンブンです。

先日、109シネマズ大阪エキスポシティのIMAXシアターで『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を観てきました。109シネマズ大阪エキスポシティのIMAXシアターは横26m高さ18mの日本最大クラスのIMAXシアターで、その巨大さと没入感から日本の映画ファンなら一度は訪れてみたいスクリーンの一つだ。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』は延期に延期を重ねようやく公開が決まった。しかし、よりによって公開日が2021/3/8(月)。東京・神奈川では緊急事態宣言が発令中でレイトショーがない状態。つまり仕事終わりに観ることができないのだ。よってネタバレをTwitterで踏む可能性がある。かつて『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』を未履修な状態で観賞して衝撃を受けた経験がある。そして、大人になりテレビシリーズ、旧劇場版を抑えてすっかりエヴァンゲリオンの世界に没入している自分として、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』は真っさらな状態で観たかった。1週間、Twitterのトレンド設定をアンティグア・バーブーダにし、視界に「エ」と映った瞬間にスクロールするくらい入念に準備をし、体調を整えて大阪アジアン映画祭の合間をぬって映画館にたどり着いた。

既に感動で泣けてきた。

しかしながら、自分は忘れていた。映画館運がないことを。

私は映画館で超常現象によく巻き込まれる。『イメージの本』を観た時は、私のい席を挟んでおっさんと女が喧嘩を始めた。『プリズン・サークル』を観た時は、隣に延々と空手ポーズをしながら「殺す」と呪文を唱え続けるヤバい人と2時間半を共にした。レイキャビく映画祭で『さよなら、人類』を観た時は、映写トラブルで字幕が映らず、スウェーデン語字幕なし心の副音声で映画を堪能する羽目になった。そういえば、かつてココマルシアターでオープン初日初回に発生した映写トラブルにも立ち会った。

そんなジョン・マクレーンな自分を運命は逃さなかった。世にも珍しい映写トラブルに出会ったのでここで成仏しようと思います。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を観ている際、想像を絶するアクションと展開と大団円の洪水に身を任せて90分付近。スクリーン右側にとある異変を感じました。虫の影のようなものが映り込んでいたのだ。場面は自然の描写だったので、てっきり演出だと思っていた。映画で時たま水しぶきがレンズにかかるように、虫の影が映り込むことで、映画をメタ的に描いているのか流石だ庵野秀明と思っていた。

しかし、奇妙なことにエヴァが激しい肉弾戦を繰り広げている中も虫の影が映り続けていたのです。幾ら何でも、現実離れした死の世界で虫は生きられないだろう。周囲もざわつき始める。これは明らかに演出ではない。恐らく、映写機に虫が混入してしまっているのだ。

ただ、自分が座っている席はど真ん中。わざわざ脱出する訳にもいかない。しかも、暗いシーンになると虫の影は見えなくなるのだ。映画館でバイトをしたことある方ならご存知の通り、アルバイトスタッフは定期的に上映状況のチェックで劇場に入る。しかし、大抵は20秒ぐらい観て撤収してしまう。それだと、異変に気づきにくい。ただ長時間観ていると、スクリーンを縦横無尽に飛び交う虫が気になって映画に集中できないのだ。心の中でATフィールドをアスカやシンジのように破ってくるのです。

そして、映画も終盤になり私は目撃してしまったのだ。

真希波・マリ・イラストリアスの唇にぷ〜んと虫が着地したことを!

そして私は気づきました。

きっとこの虫は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』を観て真希波・マリ・イラストリアスに惚れ込んだものの、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を観られなかった者の霊なのでは?と。

ありとあらゆるATフィールドを破り、映写機というアリーナ席からマリとシンクロしたのではないだろうか?

私は泣いた。私の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』体験を殲滅されたことに。

そして感動した。

命がけで『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を拝みにきた虫の物語に。

後日、109シネマズ大阪エキスポシティのIMAXシアターに報告したら1時間でお詫びのメールが来た。正直、映画館スタッフは悪くない。不測の事故であった。ただ、一応起きたことは大惨事だったので報告した訳だが、そういった状況にもかかわらず真摯な謝罪文が送られてきた。109シネマズ大阪エキスポシティのIMAXシアターにはまたリベンジしようと思う。

今度は、いい経験ができるといいなと期待しながらこの異様な映写トラブルの物語をここにて成仏します。