エジソンズ・ゲーム(2019)
The Current War
監督:アルフォンソ・ゴメス=レホン
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、マイケル・シャノン、トム・ホランド、ニコラス・ホルトetc
評価:40点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
日本では公開延期となった『エジソンズ・ゲーム』を観ました。これは製作の段階からワインスタイン問題で揉めており、ようやく公開に漕ぎ着けた作品です。ただ、そもそもスタート地点から問題がある作品だと感じました。
『エジソンズ・ゲーム』あらすじ
発明王エジソンとライバルたちがアメリカ初の電力送電システムをめぐって繰り広げたビジネスバトル=電流戦争を映画化。「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」のベネディクト・カンバーバッチがトーマス・エジソン、「シェイプ・オブ・ウォーター」のマイケル・シャノンがライバルのカリスマ実業家ジョージ・ウェスティングハウスを演じ、共演にも「女王陛下のお気に入り」のニコラス・ホルト、「スパイダーマン」シリーズのトム・ホランドら豪華キャストがそろった。19世紀、アメリカは電気の誕生による新時代を迎えようとしていた。白熱電球の事業化を成功させた天才発明家エジソンは、大統領からの仕事も平然と断る傲慢な男だった。実業家ウェスティングハウスが交流式送電の実演会を成功させたというニュースに激怒したエジソンは、ネガティブキャンペーンで世論を誘導。事態は訴訟や駆け引き、裏工作が横行する世紀のビジネスバトルへと発展していく。監督は「ぼくとアールと彼女のさよなら」のアルフォンソ・ゴメス=レホン。
※映画.comより引用
アルフォンソ・ゴメス=レホンが干されちゃう!
アメリカは残酷だ。
国内外で成功した新鋭に対して、いきなりビッグバジェットと豪華俳優を割り当て成功の花道を提供するが、失敗すれば即業界追放の世界だ。
『善き人のためのソナタ』のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクはジョニデ映画『ツーリスト』で大失敗し、何年も映画が撮れなくなった。トーマス・アルフレッドソンも『スノーマン 雪闇の殺人鬼』の失敗以来どうしたことだろうか?モルテン・ティルドゥムのようにテレビシリーズに逃げ道を作る人もいるし、アダム・ウィンガードのように業界にしがみつく人もいるが、基本的には一度失敗すれば終わりな非情さを持つのがアメリカだ。
しかし、ハーヴェイ・ワインスタインを巡る一連の騒動で満足できるものが作れず評判がイマイチな状態となってしまい、そのままアメリカ映画界から追放されそうな状況となってしまった。
そんな本作を観たのですが、これはそもそも企画からして無理があるのだ。エジソンを巡る電力戦争のことを調べれば分かるのですが、完全にエジソンはヴィランであり、この物語の主人公はテスラだったのだ。なので、余程の腕がない限り、あるいはエジソンを完全な狂人として描かない限り傑作に慣れない題材だったのだが、映画はベネディクト・カンバーバッチの天才性と、役になりきれていないトム・ホランドのイチャイチャを愛でる映画レベルで終わってしまっていた。これではドクター・ストレンジとスパイダーマンの同人誌であり、エジソン映画ではありません。無論、監督は実験における壮大なロマンを描こうと努力していたのは分かるのだが、これはあまり褒められた作品ではありませんでした。
イーサン・ホーク主演でテスラを演じ、エジソンをあのカイル・マクラクランが演じた『Tesla』と比べたいものです。
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