【TNLF2020】『HARAJUKU』原宿に行ったと思ったら渋谷、新宿、秋葉原でしたチクショー

HARAJUKU(2018)

監督:エイリーク・スヴェンソン
出演:Ines Høysæter Asserson、ニコライ・クレーヴェ・ブロック、シャスティ・オッデン・シェルダールetc

評価:55点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

トーキョーノーザンライツフェスティバル2020で『HARAJUKU』というタイトルの作品を観てきました。てっきり、『東京フィアンセ』とか『ラーメンガール』といった不思議の国ニッポン、YOUは何しに日本へ?的カルチャーギャップを扱った作品だと思ったら、全く予想と異なる作品でした。

『HARAJUKU』あらすじ


日本のアニメに感化され、髪を青く染めている 15 歳のヴィルデ。クリスマス・イブの夜に母親が自殺したことにより、幼少期に離ればなれになった父親に連絡をするが……孤独と絶望を抱える少女の不安定な心情を、憧れのユートピアである「ハラジュク」のイメージやアニメーションを差し込みながら幻想的に描き出す。
※TNLF2020より引用

原宿に行ったと思ったら、渋谷、新宿、秋葉原でした、、、チクショー

アニメ大好きな少女ヴィルデ。部屋には涼宮ハルヒや綾波レイのフィギュアが置かれており、髪型はド派手な青色だ。彼女はどうやら不登校のようで、定期的にオスロ中央駅へアニメ好きと集まっている。そんな彼女に悲劇が訪れる。クリスマス・イヴに母親が自殺してしまうのだ。児童相談所の職員から、かつての父を訪ねるようにと言われる彼女。しかし、父は既に家庭を持っており、家族と楽しい団欒を邪魔しないでほしいと願う新しい妻が会うことを拒絶する。ヴィルデは現実から逃れるように、東京へ行こうとする。自分が書こうと思っていた小説の舞台・原宿に想いを寄せていく。しかしながら、彼女には金がない。故に、コーヒーショップの店員や昔の父からなんとかして航空券と旅費を出してもらおうとする。

現代のマッチ売りの少女とも言える本作は、彼女が寒さと孤独の刹那に見出される恍惚に文化都市東京を封じ込めた異色作と言える。彼女が、カードと引き換えに得たドラッグを吸引すると、東京での非日常が目まぐるしく駆け回る。寒さと孤独に苦しむとアニメ世界が彼女に手を差し伸べる。なるほど、マッチ売りの少女とジャパニーズカルチャーが悪魔合体した作品と捉えることができる。

そして面白いことに、本作は《HARAJUKU》というタイトルに反して登場する東京の景色が渋谷、新宿、秋葉原、そしてクライマックスが新橋駅(しかもパチンコ屋unoとニュー新橋ビルをバックにする異様な構図で撮られている)なのだ。これは恐らく、ヴィルデの漠然とした現実逃避の対象として東京を配置するための演出だろう。とりあえず、どこかへ行きたい。文化といえば原宿なんじゃないか?HARAJUKUって言葉もなんかカッコいいし、、、といった空想上の理想郷でしかない様を強調するために原宿が全く登場しないのではないだろうか。

着地点こそ、凡庸な貧困映画止まりだったのですが、非常にユニークな作品であったことは間違いありません。

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