『Kill It and Leave this Town』陰鬱は世界を多い、人を腐った魚にする

Kill It and Leave this Town(2020)

監督:Mariusz Wilczynski
出演:アンジェイ・ワイダ、ダニエル・オルブリフスキー、クリスティナ・ヤンダ、マヤ・オスタシェフスカ、マグダレナ・チェレツカetc

評価:65点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

第7回新千歳空港国際アニメーションで『Kill It and Leave this Town』を観た。本作はポーランドで有名なアニメ作家Mariusz Wilczynskiが11年の製作期間をかけて製作した初長編映画。出演者の中には今は亡きアンジェイ・ワイダも加わっている。そんな話題作を観てみました。

『Kill It and Leave this Town』あらすじ


最愛の人を失った絶望から逃れたい主人公は、記憶という安全な場所に身を隠す。そこでは時が止まり、最愛の人たちも生きているのだ。年月を重ねるごとに、彼の想像の中で、街は成長していく。そしてついには、子供の頃に読んだ文学のヒーローやカートゥーンのアイドルたちもまた、招かれざる客として棲み着きはじめる。しかし主人公は、彼らもまたみな年老いてしまうこと、永遠の青春は存在しないことを知る。そして、現実の生活に戻ることを決意する。 想像の中で生きる素晴らしきキャラクターたちこそが、彼を現実の世界へと導いていく。
※新千歳空港国際アニメーション映画祭サイトより引用

陰鬱は世界を多い、人を腐った魚にする

女が容姿を褒めると、「前はブスだったと言いたいわけ?」とキレられる。どんなに擁護しようとも、それは悪手に変わる。電車に乗ろうとする。出発まであと少しなのに、チケットカウンターの職員は全く取り合わず、小銭を投げ飛ばす。絶望の主人公は過去に生きようとするのだが、その過去も悪夢である。人は巨大な水に沈み、魚の生首と一緒にプカプカと浮遊する。巨大なカラスが人間に首輪をして飼いならす。虫のようにプチっと踏みにじられていく。老人はシワシワとなりベッドにはりつけとなる。その裏には、何故かビジネスの売上表みたいなのが貼られている。

ひたすら陰鬱な生活を押し並べていく地獄巡り、船はその地獄からの脱出の象徴として描かれている。だが、船が大海原に出ようとすると、絵が乱れて何かに取り込まれていく。何度も何度も鬱から脱出しようとする者の悪夢に観る者の精神も蝕まれる危険なアニメでありました。

※新千歳空港国際アニメーション映画祭サイトより画像引用

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