【アカデミー賞特集】『BORDER』水中で暴れ、森でもがき、虫を食っても崩れぬメイクアップに注目

Gräns(2018)
英題:BORDER

監督:アリ・アバシ
出演:Eva Melander,Eero Milonoff,Jorgen Thorsson etc

評価:70点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

昨年のカンヌ国際映画祭である視点部門グランプリを受賞し、なんと第91回アカデミー賞ではメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされているスウェーデン映画『Gräns(BORDER)』が米国iTunesにて配信されていたので鑑賞しました。本作は、イラン出身のアリ・アバシ監督がスウェーデンで映画を撮っているところも妙なのだが、顔の醜さと引き換えに違法物所持を見抜ける超能力を持つ女性のサスペンスという異様な内容も特徴的だ。ブンブンの親友が昨年のベストテンに入れていて、「びっくりする作品」と豪語していました。日本公開は秋ですが、一足早くレビューを書いていきます。

『BORDER』あらすじ


税関職員のティナは、渡航者の違法な所持品を嗅ぎ分ける特殊能力を持っていた。ある日、彼女は勤務中に奇妙な旅行者ヴォレと出会う。ヴォレを見て本能的に何かを感じたティナは、後日、彼を自宅に招き、離れを宿泊先として提供する。同棲するボーイフレンドがいるにも関わらず、次第にヴォレに惹かれていくティナ。しかし、彼にはティナの出自にも関わる大きな秘密があった―。
※Filmarksより引用

メイクアップが凄い

本作は、まずなんといっても第91回アカデミー賞ではメイクアップ&ヘアスタイリング賞ノミネートも納得のメイクアップだったということだ。本作では、醜い顔の男女が出てきます。それだけなら、いろんな映画で見かけるので不思議ではない。ただ、この作品はやたらと水の中に入り、土の中で絡み合い叫ぶシーンが多いのです。それにも関わらず、全くメイクアップの繋ぎ目が見えない。あれだけ激しいことが行われているのに、実在するモンスターのように演出しきったこのメイクアップは凄まじかったです。まだ、ここでは言わないが、終盤に出てくるあるものの造形も狂っていて凄かったです。

人は誰しも《BORDER(境界)》を引いてしまうものだ

さて本題に入ろう、この作品は税関職員というBORDER(境界)を守る者が、人間社会というBORDERから爪弾きされてしまう様を風刺したブラックラブストーリーだ。主人公のティナは、醜い顔を持っている。しかし、匂いで危険を探知できる特殊能力を見込まれ税関職員として働いている。彼女は、歯で危険を嗅ぎ分ける。

シィーー、、、シィーーー、シィーーー!と歯でやってくる人々が違法物を持っているのか否かを判断するのです。彼女の的中率は100%相方が、「おい、ティナ、こいつ違法物持っていないぞ!」と言うならば、じっくり歯で危険物の場所を突き止める。例え、スマホカバーに隠していたとしても、彼女の歯は誤魔化せないのだ。そんな彼女の前に、彼女と同じように醜い顔を持った男が現れる。しかも、危険の香りがするではありませんか!しかし、バッグを調べても何も見つからない。なんだろう…と思っていると、また奴が現れた!今度こそ…と思うのだが、またしても見つからない。

本能的に何かを感じ取った彼女は、旅人である彼に住居を提供する。虫を食ったり奇行を繰り返す、その男にだんだんと惹かれ合い、彼女が感じたあの香りが《恋》であると分かってくるのです。

人は誰しもがBORDERを意識的/無意識に引いてしまう。そして、自分と似たような人に惹かれ、自分のBORDERに迎え入れる。本作は一見するとオフビートなアメコミ映画を思わせるヒーロー/ヒロイン映画であるが、実は類は友を呼ぶ、村社会と差別の形を強烈に風刺した作品だったのです。後半にいけばいくほど、理解し難い展開が待ち受け、ラストには嫌悪感を示す人が出てくることでしょう。それでも、この映画は面白い。オススメしたい。テアトル系の番組編成をしているNISHI THE WILDさんも賞賛していたので、恐らくヒューマントラストシネマ渋谷で公開されることでしょう。

今年は、『サスペリア』、『CLIMAX』、『THE HOUSE THAT JACK BUILT』とファンタスティックな傑作が沢山公開されるが、その1本に『BORDER』仲間入りしました!

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