『女っ気なし』バカンス映画の新気鋭ギヨーム・ブラック

女っ気なし(2011)
UN MONDE SANS FEMMES

監督:ギヨーム・ブラック
出演:ヴァンサン・マケーニュ、ロール・カラミー、コンスタンス・ルソーetc

評価:90点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

今年のアンスティチュフランセにギヨーム・ブラック最新作がやってくると踏んでいる。実は、昨年『友達の恋人』に愛を捧げた『Contes de juillet』と『L’île au trésor』(ドキュメンタリー)がフランスで公開され、後者はカイエ・デュ・シネマ2018年のベストテンに選出されたのだ。そこで予習としてブンブンは、フランスから『女っ気なし』のDVDを取り寄せてみた。フランス・ポチョムキン社のDVDなので英語字幕はもちろん、フランス語字幕すら付いていないのだが、ブンブン、フランス語力をフルに使って鑑賞しました。

『女っ気なし』あらすじ

フランスの注目若手監督ギョーム・ブラックが、デビュー作の短編「遭難者」(2009)に登場した男性シルバンを主人公に描いた中編ドラマ。とある夏の終わり。シルバンは海辺へバカンスにやって来た若い母親と娘にアパートを貸すことに。母娘と一緒に海水浴や買物をして楽しい毎日を過ごすシルバンだったが、やがて友人ジルが現われ……。
映画.comより引用

ダサダサ男にメロメロ

『女っ気なし』は2014年くらいに日本で公開され話題になった作品。フランス語の先生からオススメされたのにガン無視してしまい今に至ります。

さて、ギョーム・ブラックはエリック・ロメール的とよく評される。実際に彼はロメール好きで新作2本はロメールに愛をこめた作品となっている。しかしながら、クールなロメールというよりもブラックのタッチはダサい、ロジエだ。これは当然褒め言葉。ジャック・ロジエの美女に振り回されるダサくて女々しい男ベルナール・メネズに対する執着をギョーム・ブラックは、ヴァンサン・マケーニュに投影させる。

両手に花でウハウハな男だが、容姿に自信がなく、ハゲ頭をチョンチョンと触り身だしなみを整えるショボさから冒頭いきなり笑えてきます。そして、女の子が次々現れるイケメンに翻弄されていく様子を指咥えて眺めているだけの彼に、「おい!頑張れよ」と言いたくなる。特に、マケーニュがビーチに来ると折角の女がチャラ男に絡まれているシーンがある。「おい、俺の女になに手を出しやがる」と入っていけばいいのに、遠くからニコニコ女たちを眺めているだけ。彼女たちに呼ばれなきゃ来られないコミュ障っぷりに、頭がクラクラとします。この哀愁がバカンスの終焉の侘びしさと絡み合い、楽しい祭の後、心にポッカリと開く切なさに繋がってくる。

ブンブン、多分ギョーム・ブラック好きだ!新作もどハマりするに違いない。だから、アンスティチュフランセさん、お願いします!日本公開してね!

ブロトピ:映画ブログ更新
ブロトピ:映画ブログの更新をブロトピしましょう!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です