【釜山国際映画祭・ネタバレなし】『CLIMAX』ギャスパー・ノエはグレイテスト・ショーマンだった!!

クライマックス(2018)
CLIMAX

監督:ギャスパー・ノエ
出演:ソフィア・ブテラ、Romain Guillermic、Souheila Yacoub etc

評価:5億点

釜山国際映画祭のクライマックスを飾ったのは、ギャスパー・ノエ監督の『CLIMAX』だった。ギャスパー・ノエといえば、『アレックス』に始まり、『エンター・ザ・ボイド』、『LOVE 3D』と毎回センセーショナルな作品を発表し続けており、ミヒャエル・ハネケ、ラース・フォン・トリアーに並ぶ、初対面の人に好きであることを告白してはいけない監督の一人だ。ブンブン、正直ギャスパー・ノエ作品は苦手なのだが、そんな私ですら感動を覚えるくらいの大傑作であった。まさしく、この旅のクライマックスに相応しい作品であった。

【釜山国際映画祭・ネタバレ】『CLIMAX』ギャスパー・ノエがサングリアに隠した謎を読み解く

『CLIMAX』あらすじ

ダンサーたちは、廃墟に集まり公演に向けリハーサルを繰り返していた。そんな合宿の最終日、リハーサルの《CLIMAX》を迎えたダンサーたちは気づく。何者かがサングリアの中にLSDを入れていたことに、そこからダンサーたちは壊れ始め、異次元の《CLIMAX》を迎えることとなる…

Buvez la sangría, noyez le sang gris…

↑笑っていいとも!でも紹介されたカルト映画『ワイルド・スタイル』

本作は1982年製作の『ワイルド・スタイル

』同様、ダンサーの間で語り継がれる伝説になるだろう。

↑Cerroneの『Supernature』の使い方が個人的にグッときました。

アルジェリア系フランス人のダンサー、ソフィア・ブテラを始め、多様性に満ちたダンサーたちが見たこともないような前衛的なダンスを舞う!舞う!舞う!サイケデリックな色彩がスクリーンを鮮血に塗りたくり、トーマ・バンガルテル、ダフト・パンク、エイフェックス・ツインが織りなす音の洪水は見る者の心に眠る何かを呼び覚ます。

LSD入りの血の盃《サングリアSangría》をうっかり飲んでしまったダンサーのように、見えない世界に放り込まれ、90分という時間が永遠に感じる程、灰の血《サン グリSang gris》を流しきるまでギャスパー・ノエの魔の手から逃れることができない。

まさしく、

Buvez la sangría, noyez le sang gris…
(血の盃を飲め、灰の血に溺れろ)

とギャスパー・ノエは我々の耳元で囁くのだ。

本作はダンスの歴史が変えるといっても過言ではない程の人を惹きつける未知の文化に満ち溢れていた。

そして、映画の観点から言うと、遂にギャスパー・ノエはゴダールの域にまで達した!

前作『LOVE 3D』で、大スクリーンに向かって男のマグナムをぶっ放すシーンを描くことで、1903年にエドウィン・S・ポーターが『大列車強盗』との見事な対比を実現させる。100年後の映画は3Dで男のマグナムが観客に発砲される。映画という概念を破壊し、新しい映画史の1ページをギャスパー・ノエは擲り書いてみせたのだ。

ただ、前作の彼は割と出落ちな演出で、ゴダールかぶれであった。それが、今回、見事なまでの映画の脱構築をやってのけたのだ。これには根拠がある。予告編にもあるテレビインタビューの場面。よく観ると、『サスペリア』『切腹』等のDVDに、フリッツ・ラングや『タクシードライバー』の解説本が所狭しと積まれているのだ。そして、映画は全編ヒップホップ、サンプリングで形成された音が紡いでいく。つまり、これはギャスパー・ノエの映画史映画なのだ。

安易なミュージカル映画がやりがちなバークリー・ショットを、誰も見たこともないようなスタイルで技術革新を施す。鮮血の間で繰り広げられるフリースタイルダンスは『ワイルド・スタイル』そのものだ。更にはルイス・ブニュエルのあの映画に対する斬新なアレンジまで施す。

そして、、、いや、ここでは言わないでおこう。

ダンサーには絶対観て欲しい!

そして、本作は『グレイテスト・ショーマン

』がダメダメだった人にこそ観て欲しい。

ギャスパー・ノエこそが究極のグレイテスト・ショーマンだ!

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