【炎上】抗争勃発『カメラを止めるな!』盗作疑惑問題について考えてみた

両者の言い分を整理してみる

さて、まず最初に和田亮一と『カメラを止めるな!』両サイドの主張を明確にする必要がある。ってことで双方の視点に立って状況を整理してみる。

和田亮一サイド

和田亮一曰く、本作の原点は劇団PEACEの『GHOST IN THE BOX!』だったとのこと。彼は、2011年に劇団PEACEを立ち上げる。そして初のロングランに漕ぎ着けた作品が『GHOST IN THE BOX!』だった。本作の内容について、観劇者のひとり内藤みかはこう語る。

舞台のタイトルは『GHOST IN THE BOX!!』。
廃墟の中で、惨劇が立て続けに起きる!というホラーコメディです。
何しろ舞台なので、映画とはまたちょっと違います。お化け屋敷の裏側を見た、というようなイメージが映画よりも強かったと思います。
【ネタバレ注意】「カメラを止めるな!」。原案となった舞台も観ている私の感想。より引用

前半は、廃墟を舞台にしたホラーで後半に伏線を回収していくという内容だ。劇団解散後、和田亮一と彼の仲間は上田慎一郎監督と映画化プロジェクトを始動させる。しかし、それは頓挫してしまった。しかし、いつの間にか映画は『カメラを止めるな!』というタイトルで完成していた。実際に観ると、面白くTwitterでも宣伝したが、クレジットには自分の名前も劇団の名前も、『GHOST IN THE BOX!』の名前もなかった。そこに少しがっかりした。

そこで、監督及びプロデューサーと拡大公開のタイミングを見計らって

原作:劇団PEACE『GHOST IN THE BOX!』(作:A 演出:和田亮一)

と入れてもらおうと相談した。しかしながら、実際には、

原案:劇団PEACE『GHOST IN THE BOX!』(作:A 演出:和田亮一)

という形でエンドロールに入れてもらったものの、

その提案された契約書には、僕が今後の映画、舞台におけるリメイクそのほか二次利用に関する一切の権利をもてない

映画「カメラを止めるな!」についてより引用

という契約書まで結ばされてしまったのだ。そこにフラストレーションを抱き告発に至った。

『カメラを止めるな!』サイド

本作は、最初から『GHOST IN THE BOX!』にインスパイア受けていると宣言しているのでそもそも盗作ではない。

2018年7月27日配信のガジェット通信にも次のように言及されている。

――本作大変面白く拝見いたしました! まずこの斬新なアイデアをどんな事から思いついたのかをお伺いしたいのですが。

上田監督:5年前に、劇団PEACE(2014年解散)の「GHOST IN THE BOX!」という舞台を観まして、物語の構造がすごく面白いなと思ったんです。この舞台を原案にして映画化したいと思い、最初はその舞台の脚本家や出演者の方と一緒に企画を進めていたんですがなかなか前に進まず一旦企画は頓挫。2年ほど前にとあるコンペに出すのをきっかけにまたこの企画を引っ張り出して、基本的な構造以外は登場人物も展開も丸ごと変えて、新たな作品としてプロットを固めていきました。その企画コンペには落ちたんですが、ちょうどその直後にこの「シネマプロジェクト」のお話をいただいたんです。「シネマプロジェクト」というのは新人の監督と俳優がワークショップを経て一本の映画を作るという企画です。

爆ヒット中の映画『カメラを止めるな!』上田慎一郎監督インタビュー「映画が観た人の現実を前向きに動かしている。これほど嬉しいことはありません」より引用

上田監督は、タイトルこそ出さなかったもののパンフレットにもしっかりと『GHOST IN THE BOX!』の存在を言及している。また、彼は『GHOST IN THE BOX!』の《前半は殺人サスペンス、後半は舞台裏のドタバタ》という構造を引用した上で、中身は完全オリジナルで製作しているので、盗作とは言えない。また、配給がアスミック・エースに変わり拡大公開に向け、クレジット部分の再編集を行う際には和田亮一の申し出に応じて、クレジットに記載した。にも関わらず、週刊FLASHに告発文を出しあたかも盗作のように世に吹聴した。そこに憤りを感じている。


『カメラを止めるな!』サイドの公式声明文はこちら

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