【炎上】近畿大学トリオよ、クラウドファンディングでフィリピン、スラム街行くならこれを観よ!

1.僕たちは世界を変えることができない。(But, we wanna build a school in Cambodia.,2011)

実は近畿大学の3人に一番観て欲しい作品がこれだ。全く同じことをしていた若者が本を出版し、映画化までこぎつけた作品がこれだ。なんとなく、ボランティアに目覚め、カンボジアに学校を建てる為、企業から協賛を募ったり、サークルで金を集めたりする者たちの青春を描いた作品だ。ここに登場する彼らも、近畿大学の方同様。海外に行ったら何かが変わる。《夢を与えて世界を変えたい》と漠然とした目標を前に行動している。ただ、実際に本作で彼らはカンボジアの人を無意識に見下していることがわかる。そして、100万円かけて、学校を建てたものの、教える先生は見つからず、また学校に通わせるよりも働かせた方が良いと考える人が多く、結局学校として機能しなくなる事件を通じて我に返る。これは、未来の近畿大学の人の姿である。よく目に焼き付けて欲しい。

2.パラダイス 愛(ARADIES: LIEBE/PARADIES: LOVE,2012)

本プロジェクトだけに限った話ではないが、旅行というのがどうしても「見世物」という側面が強くなってしまうことに気づかせてくれる作品がこれだ。ケニアのリゾート地に来たおばちゃんが、現地人と恋をしてしまったことから起こる悲劇を描いている。リゾート地は、その土地の汚い部分を隠している。主人公のおばちゃんは、そこから一方踏み入れ、リゾート地が幻想出会ったことに気づかされるのだ。海外旅行に慣れてくると、ちょっと普通の人が行かないようなところに行きたくなる。しかし、調子乗って脇道に逸れると、そこには仄暗い恐怖が待ち受けていたりする。また、一期一会の出会いに神秘を感じ、出会った人を安易に信用するととんでも無いことが待ち受けていることがある。そういう、《旅》というキラキラしたものの裏を魅せてくれる作品だ。

3.鉄西区(铁西区,2003)

生のスラム街を撮りたい、それも凄いの撮りたいというならば、中国のドキュメンタリー作家・王兵(ワン・ビン)の『鉄西区』を観て欲しい。9時間あるが傑作です。かつて、工場地帯だった、鉄西区が朽ちてスラム街を通り越し、廃墟となってしまった様子を淡々とカメラに収めた作品だ。ただただ虚無の地を、観察していく撮影スタイル。かつては経済を支え、活気があったであろう地区が失われて行く侘しさを強烈な構図で描いている。建築を学ばれている彼らは、是非この朽ちた建物を観てインスピレーションを掻き立てて欲しい。

4.ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー(2013)

恐らく、彼らは海外慣れしていないでしょう。どうコミュニケーションをとったら良いのか迷うことでしょう。そんな彼らに、ナオト・インティライミのコミュニケーション方法を是非学んで欲しい。アグレッシブに現地人とコミットする。そして自分の武器で対話を図る。その姿はかなり参考になるはず。昨年末から今年の初めにかけて連続公開された続編は、まだDVDが出ていないので、本で学んで欲しいのだが、続編になると彼は傲慢さを捨て、本気で音楽を通じて世界を変えようとしています。その変化にも注目だ。

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5.グリーン・インフェルノ(The Green Inferno,2013)

現地のことをよく調べないと、最悪の場合死に至ることを教えてくれる作品だ。アマゾンの奥地で原住民を迫害している大企業に問題意識を抱えている若者たちが、現地に行き、原住民を助けようとするのだが、実は食人族で若者たちが次々と血祭りにあげられる様子を描いた作品だ。安易な正義を武器に、現地に行くと、文化の違いによって痛い目に遭うことを教えてくれるホラー映画だ。旅の直前に観て気を引き締めて欲しい。

最後に…

果たして近畿大学の3人組にこのメッセージが届いたのだろう。届いた届かないは抜きにしても、大学生、特に意識高い系や旅行好きはここで紹介した10本のうちどれか観て欲しい。そして、ただの意識高い系から、本当に社会に対しコミットしようとする人間へと進化して欲しい。

今やキューバ革命の英雄として讃えられ、高校の教科書にも載っているチェ・ゲバラでさえ、かつてはただの意識高い系だった。アルゼンチンのボンボンで、医者の道を進んでいた彼は喘息を患っているにも関わらず、「医療が発達していない地域に行きたい」と相棒・生化学者のアルベルト・グラナードを引き連れ南米大陸縦断旅を敢行した。当時の彼は傲慢で、行く先々の人に「俺を知らないのか?医者だぞ!大学を出た!」と言ってまわっていた。しかし、チリの鉱山労働者やペルーのハンセン病患者と出会い、また資本主義の搾取の構図に胸を痛め、本気で世界を変えようと革命家になった(もしこのエピソード、気になったら、映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』、または旅行記『チェ・ゲバラ モーターサイクル南米旅行日記』に接してみてください)。

老害だと思った方は、スルーして構わないが、自分も元意識高い系だっただけにこの想い伝わって欲しい!

ってことで、今回はこの辺で終わります。

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