もくじ
1.母たちの村(Moolaadé,2005)
監督:センベーヌ・ウスマンセネガル映画の巨匠にしてセネガル映画の父センベーヌ・ウスマンの作品。この作品、第57回カンヌ国際映画祭 ある視点部門グランプリを獲った為か、少し大きいTSUTAYAに行くと置いてあります。
女子割礼から逃げてきた6人の子どもを村の女性たちが守るという話。重い話ではあるのだが、リズミカルな音楽、美しい色彩にコミカルな演出が交わり、独特のユーモアで話が展開されます。『ブラックパンサー
』の女性描写は本作を意識して構成されたのではと思わせられます。
2.セネガルの春(Incorruptible,2015)
監督:エリザベス・C・バサヒリィヒマラヤ・メルー峰シャークスフィン登頂を捉えた『MERU/メルー』で一躍有名になった女性ドキュメンタリー作家エリザベス・C・バサヒリィが、2012年セネガル大統領選の混乱を撮った作品。
三権分立もなく、権力を私物化しているアブドゥライ・ワッド大統領に対し、セネガル国民が立ち上がりデモを行う。ワッドの強力な宣伝、妨害、そして終いには大統領選すら白紙にしてしまおうとする動きに対し、国民が必死に抵抗する様を至近距離で撮る。もはや戦場と化したセネガル市街地の様子は、光州事件を描いた『タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜
』に近いものを感じる。
セネガル国民が、他国の支援に頼らず、自分たちで不正を叩き、清き正しい国を創り上げようとする姿を観ると、日本も頑張らねばなと思わずにはいられない。
Netflixで観られます。
3.わたしは、幸福(Félicité,2017)
監督:アラン・ゴミス第67回ベルリン国際映画祭審査員グランプリ受賞作。歌手の女性フェリシテが、息子の大怪我の知らせを聞く。そして、手術の為に金策に励むという内容。この映画が面白いのは、フランス生まれ、フランスとセネガル二重国籍のアラン・ゴミスがコンゴを舞台に貧困を描いたということだ。フランスでも、セネガルでもなく、コンゴで一歩引いたところから貧困を捉えた。決して、お涙頂戴な映画ではない。息子の手術代を求め、金策に励むうちに、歌を失い、友を失い、理性を失っていく様子にヒリヒリ心が抉られるであろう。そして、それをアフリカのドープなリズムがカタルシスとして包む。他の作品では味わえない面白さがあります。
現在、なんと、、、吉祥寺ココマルシアター
で上映しているそうですよ。
4.XALA(1974)
監督:センベーヌ・ウスマン日本未公開、未DVD化なんだけれども、是非とも覚えていってほしい作品がこれです。ブンブンのオールタイムベスト100にも入れている大傑作。汚職官僚が、女の呪いにより勃起できなくなったことから、女も地位も金も失ってしまうブラックコメディだ。神を信じない汚職官僚が、精力を取り戻す為、怪しい占いに手を出すまで堕ちるところは痛快!暑苦しい、叫びも映画を盛り上げ、胸熱な作品です。
Criterionあたりで是非ともブルーレイを出してほしい。正直、こんな傑作をなんとかチューブで観てしまったことが悔やまれます。
5.ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー2 後編(2018)
監督:加藤肇
実は、セネガル映画ではないのだが、2つの意味で紹介したいので入れました。1つ目は、ナオト・インティライミがセネガルを冒険する作品だということ。前作で、謎の病に罹り生死を彷徨った彼は、セネガルに着く。ゴレ島に行くと思いきや、「なんか、気が乗らないなぁ」と諦め、そこら辺のビーチで、ジェンベ売りの青年と永遠とセッションをするのだ。最初は、セネガルのリズムに身体がついてこれず、リズムが取れないのだが、段々と様になっていく様子は圧巻。まさにMusic to Music, Soul to Soulだ!
そして、二つ目は、ドルトムントで香川真司に会うというエピソードがあります。先日コロンビア戦でPKを決めたあの香川真司とナオト・インティライミは友達だということで、仲良くビールを交わしています。そして、世界を舞台にお互い飛び回り、ドルトムントで会うというエモーショナルで神秘的な空間は、心にグッときます。
このナオト・インティライミ冒険記ドキュメンタリーシリーズ。映画ファンには全く観られていない作品だが、ナオト・インティライミファンでなくても楽しめる。海外に旅したくなる作品です。
最後に…
意外と、セネガル映画、セネガルを舞台にした映画は身近にあることに驚いたことでしょう。是非、今週末はセネガル映画を観て、ワールドカップ日本対セネガル戦に備えてください♩
※映画館マニアとして気になる記事を見つけました
↓↓↓↓↓
[2016最新版]セネガルのダカールにある映画館3つ
VIVA WORLD CUP!!
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