恋は雨上がりのように(2018)
監督:永井聡
出演:小松菜奈、大泉洋、
清野菜名、磯村勇斗、葉山奨之etc
評価:80点
傑作ボスラッシュな今週。観る予定はなかったのだが、映画仲間から、「ブンブンは雨上がり決死隊は観ないの?」と煽られた。どうやら予想に反して巷では好評らしい。何と言ってもブンブン、高校時代陸上部だった。定時に仕事終わったので、急遽観にいった。
『恋は雨上がりのように』あらすじ
眉月じゅんの同名コミックを映画化。靭帯損傷により、陸上部から遠ざかった女子高生・橘あきらはファミレスでアルバイトをしている。彼女は、実は恋心を抱いていた。しかし、その恋の相手は40代バツイチの店長だった。想いをなかなか伝えられない彼女。しかし遂に店長に告白する…山口達也セクハラ事件後だからこそ観たい傑作!
期待はしていなかったが、これが大正解だった。『ジャッジ!』『世界から猫が消えたなら
』『帝一の國』と毎度レベルアップしている永井聡がまたしてもフォースを覚醒させた!
小松菜々のスライディング&爆走クラッチングスタートから始まる。山戸結希映画のような鋭い音楽捌きに、こっこれは、、、と息を飲む。
そして、そのまま人物紹介のショット。長回しの中に登場人物の説明を封じ込める。無駄なく、全てをフレームに収める。圧倒的職人技だ。
ようやく始まる本編は、まさしく輝ける青春を象徴する陽光の下繰り広げられる。
そこには、単純な40代店長と10代女子高生の愛は描かれてなかった。
怪我で陸上部を去った女子高生、気まずさ、未練、後ろめたさ、モヤモヤした気持ちから逃避するようにバイトをし、店長に恋をしているのだ。ただ、これがなんとなくではなく、しっかりとした意志の上で店長に想いを寄せていることが段々と分かってくる。チャラい青春キラキラ映画だと侮るなかれ、反復、伏線、キャラクター配置が抜群。故に小松菜奈は、彼女のキャリア史上最も美しく清い、大泉洋も清い!応援したくなる。
しかし、御察しの通り叶うわけがない恋。難易度高すぎるラブアフェア。今や#MeTooや山口達也セクハラ事件等、少しでも粗相をすれば簡単に人生が破滅する時代。店長にとってはたまったもんじゃない。さあこの困った情事どう決着をつけるのか?それは映画を観てのお楽しみ。これ以上にない正解を映画は提示してくれます。
これは、デートで観ても良し、「おすすめな映画教えて!」と言われたら気軽におすすめできる作品だ!
ただ、唯一残念だったことがある。それは、肝心な陸上の試合描写がカット割り過ぎで、逃げてしまったこと。確かに、短距離走をリアルに描くのは難しい。ボディダブルを使っても、なかなか激戦を表現するのは困難だ。でも100m走をあそこまで逃げ腰で撮るとは、永井さん、何を恐れているのだ?躍動感を出せたはずだと思いました。
脚本家の坂口理子は『かぐや姫の物語』『メアリと魔女の花』の脚本を手がけていた!
次は、佐々部清の『この道』、三木孝浩の『フォルトゥナの瞳』脚本を担当する。これは期待だ! pic.twitter.com/Y5ydMdgOGI
— che bunbun (@routemopsy) 2018年5月29日
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