【読書感想文】『理不尽ゲーム』ベラルーシの理不尽あるある早く言いたい

Twitterで話題となっていたベラルーシのディストピア小説「理不尽ゲーム」を読みました。コロナ禍になって日本はルーマニアのような東欧の閉塞感の空気を帯びてきたなと感じるこのところ、ベラルーシは欧州最後の独裁国家と言われるらしくルカシェンコ体制から逃れるように東京五輪後亡命する選手がいるほど過酷な国なんだとか。「理不尽ゲーム」はそんなベラルーシ社会を取り巻く閉塞感をディストピア小説として書いた代物だ。こうした作品が日本に翻訳されて入ってくるとは嬉しい限り。早速読んでみました。

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【カンヌ国際映画祭特集】「ドライブ・マイ・カー(原作)」人は誰しも演技する

本作を読んでいる時、「いつ書かれた作品だ?」と背表紙を見て絶望した。そこには「2013年」と書いてあったからだ。2010年代はスマートフォンとSNSの台頭で老若男女世界中の情報が洪水のように我々を呑み込んでいった。これにより、世界中の社会問題も明るみに出て、抑圧される女性像も世界中に伝播し、少しずつ「男らしさ」「女らしさ」の呪縛から解放する動きが活発となっていった。村上春樹は「海辺のカフカ」で、図書館のトイレを通じて公共とジェンダーの関係について論じていた。「ドライブ・マイ・カー 」も恐らくは、意図的に女性蔑視を描いているのだと思う。だが、その癖が強すぎるもとい少し古くて拒絶反応が出てしまった。