【注目モハメド・ディアブ】『1000 Mabrook』クズってそう簡単に改心しないよね
1000 Mabrook(2009)مبروك 1000, 監督:Ahmed Nader Galal出演:Ahmed Helmy,Mahmoud Fishawi,Laila Ezz El-Arab,Sara Abdu…
1000 Mabrook(2009)مبروك 1000, 監督:Ahmed Nader Galal出演:Ahmed Helmy,Mahmoud Fishawi,Laila Ezz El-Arab,Sara Abdu…
コロナでライブになかなかいけないこのご時世、映画館でライブ気分を味わいたいなと思っているところに『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』が公開された。本作は1969年に開催された伝説の音楽祭「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」のドキュメンタリーだ。1969年というと、想定のキャパを大幅にオーバーし、軍隊まで出動しながらもなんとか成功(?)に終わったウッドストック・フェスティバルが有名ですが、同時期に「黒人の、黒人による黒人のための音楽祭」が開催され30万人も動員した。しかしながら、その映像は諸事情により50年間地下室に埋れたままとなっていた。今回はそんな珍しい映像資料を堪能したので感想を書いていきます。
第21回東京フィルメックスで学生審査員賞を受賞、第71回ベルリン国際映画祭パノラマ部門に出品された春本雄二郎監督最新作『由宇子の天秤』が2021/9/17(金)よりユーロスペースにて公開となる。今回、試写会で一足早く観賞したので感想を書いていきます。
イヌイットの、イヌイットによる、イヌイットのための映画を作り続けているザカリアス・クヌク監督。彼の2006年に製作された『The Journals of Knud Rasmussen』を観ました。
M・ナイト・シャマラン『オールド』が公開されるや否や、Twitterでは賛否両論が分かれている。M・ナイト・シャマランはかつて町山智浩が『シックス・センス』や『ヴィレッジ』がパクリ映画だみたいなことを言ったこともあり、また『シックス・センス』のどんでん返しが凄すぎたこともあり、割と過小評価されがちの監督である。だが、彼の醍醐味はどんでん返しがどうとか、スリラーがどうとかそこにはなく、独自の歪んだハリウッド映画を魅せてくれるところにある。『アンブレイカブル』でアメコミヒーロー映画の最初にありがちな平凡な男がヒーローに目覚めるまでの過程をじっくりと描いた後、10年以上の時を経て『スプリット』、『ミスター・ガラス』と2010年代映画のテーマである「ユニバース」の文脈に歩み寄ってみせた。『サイン』、『ヴィジット』ではよくあるハリウッドポップコーン映画の文法で作りながら、時折シャマラン独自のユーモアを挿入してきてスパイスとなっていた。こうした、クリシェ外しがカイエ・デュ・シネマにウケているせいかたまに年間ベストに入ったりします。
M・ナイト・シャマランといえば『シックス・センス』でどんでん返しの人のイメージがついてしまい、毎回その呪縛と闘っているような監督である。だが、実はその呪縛というのは観客の心を縛っているに過ぎず、実は彼は一貫して俺的ハリウッド映画を作り、そのねじ曲がったもう一つのハリウッド映画像が面白さに繋がっている。例えば、国際的にカイエ・デュ・シネマぐらいしか評価していない『レディ・イン・ザ・ウォーター』を例に取る。一見すると、ウンディーネ的話の翻訳や、怪物映画として失敗しているように見える。ある意味、それは正しい。あの映画には怪物はいらなかった。彼は寓話を通じて、多様性と言いつつもバラバラになってしまっている現代人を繋ぎとめようとしたのだ。宗教が、人々をあるベクトルへ向けさせるのと同様。寓話を通じて絆の温もりを描こうとした。と同時に、その絆も禍々しい側面、ある種の陰謀論的危うさをも示唆しており魅力的であった。『ミスター・ガラス』では、シャマランなりのヒーローユニバースを築きあげた。さて、『オールド』はどうだろうか?今回はネタバレありで『オールド』の謎に迫っていこうと思う。
絶望部屋へようこそ(2020)WELCOME TO MY DESPAIR ROOM 監督:小野光洋 出演:甲田守、長谷山結衣、前田充弘、川久保晴、玉城琉太、山村大輔、木所恵子、吉田実加、佐藤ザンス、稲葉祐子etc 評価…
2021/10/2(土)より公開される『恐るべき子供たち 4Kレストア版』をリアリーライクフィルムズさん、Cinemagoさんのご厚意で一足早く観ました。ジャン・コクトーの世界をジャン=ピエール・メルヴィル(『サムライ』、『仁義』etc)がどのように映画化したのか、覗いてみましたので感想を書いていきます。
沖田修一監督は深刻な内容をゆる〜く描くのを得意としている。『おらおらでひとりいぐも』では話し相手のいない黄昏に生きる老人の終焉を、イマジナリーフレンドとの掛け合いでユーモラスに描いていた。『横道世之介』では突然、「死」が浮かび上がり、『滝を見にいく』では老人が山で迷子になり生死をかけたサバイバルとなる。さて、最新作『子供はわかってあげない』はどうだろうか?田島列島の同名漫画の映画化。私は原作未読で挑んだのですが、これがトンデモナイ作品であった。
昨年、知人から服部正和監督の『FRONTIER』が面白そうだと話を聞いた。予告編を観ると、日本インディーズ映画ながらも『インターステラー』のような壮大なSF映画を彷彿させる世界観に惹きこまれ、観たいなと思っていた。先日、オンライン開催される第22回ハンブルク日本映画祭で配信されると聞いて、急遽観ました。何も知らない方が楽しめる作品な為、紹介するのが難しい作品ではありますが、今後日本映画界に世界と闘える本格SF映画が生まれるのではと思わずにはいられませんでした。というわけで軽めの感想書いていきます。