『春原さんのうた』二重の壁の奥の痛みと守りたいその笑顔
春原さんのうた(2021) Haruhara-san’s Recorder 監督:杉田協士 出演:荒木知佳、新部聖子、金子岳憲、伊東沙保、能島瑞穂、日髙啓介、名児耶ゆり、北村美岬、黒川由美子、深澤しほetc 評価:80点…
春原さんのうた(2021) Haruhara-san’s Recorder 監督:杉田協士 出演:荒木知佳、新部聖子、金子岳憲、伊東沙保、能島瑞穂、日髙啓介、名児耶ゆり、北村美岬、黒川由美子、深澤しほetc 評価:80点…
スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021) Spider-Man: No Way Home 監督:ジョン・ワッツ 出演:トム・ホランド、ゼンデイヤ、ベネディクト・カンバーバッチ、ジョン・ファブロー、ジェイコブ・バタ…
劇場版 呪術廻戦 0(2021) 監督:朴性厚 出演:緒方恵美、花澤香菜、小松未可子、内山昂輝、関智一、中村悠一、櫻井孝宏、山寺宏一、松田利冴、松田颯水、津田健次郎etc 評価:75点 おはようございます、チェ・ブンブン…
日本はアニメになればどのような内容であっても関心の目が向けられる傾向にある。『風立ちぬ』や『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のようにもし劇映画であれば大人向けで奥深い内容故コアなファンぐらいにしか見向きもされない内容が、アニメであれば老若男女が楽しみ、数々の考察がなされる。ひょっとすると「失われた時を求めて」や「重力の虹」といった難解小説もアニメ化したら社会現象になるのではと期待したりする。
私が敬愛する監督ブリュノ・デュモン。ありがたいことに、ブリュノ・デュモンについて書く機会をいただいたので、今月はブリュノ・デュモン未見映画を観ることにした。2011年カイエ・デュ・シネマ年間ベストにて4位に輝いた『アウトサイド・サタン』に挑戦しました。これが私のオールタイムベスト級に大傑作でした。
早撮りの巨匠で、キネマ旬報が大好きな監督クリント・イーストウッドももう90歳の大台に乗りました。最近は『15時17分、パリ行き』、『運び屋』と人生の集大成のような映画を作っている彼ですが、遂に遺作にする気満々な作品を発表しました。その名も『クライ・マッチョ』。フィル・フィースがMr.オリンピア7連覇し栄光を掴んだ軌跡を追うスポ根もの…ではなく、本作はかつてマッチョだったクリント・イーストウッドがメキシコにいるマッチョに憧れる少年と旅をするロードムービーとなっている。これが、大問題作でありました。
山形国際ドキュメンタリー映画祭、ベネズエラ映画祭、東京国際映画祭と次々と映画の祭典が押し寄せてくるこのところ。アート映画ばかり観ていると疲れてくるものです。こういう時は、息抜きに青春キラキラ映画を観たいもの。丁度、TOHOシネマズ海老名で『アイの歌声を聴かせて』という面白そうな作品が上映されていたので仕事帰りに観てきました。これが実に素晴らしい作品でした。
第34回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門で観たかった『洞窟(Il Buco)』を拝むことができました。本作は『四つのいのち』で知られるミケランジェロ・フランマルティーノ最新作にして、第78回ヴェネツィア国際映画祭にて審査員特別賞を受賞している。1960年代、約700mもの深さを持つカラブリアの洞窟を探索した実話を基に独自の解釈で映画化した作品である。これが今年のベストに入れたい程に素晴らしかった。
第74回カンヌ国際映画祭ある視点部門で一本の作品が話題となった。それは『ONODA 一万夜を越えて』だ。ある世代の人はこのタイトルを聞いてピンと来るのだとか。あの小野田寛郎のことかと。自分は不勉強ながら、この映画で初めて彼のことを知ったのだが、彼の半生を映画化するのはあまりに危険だということは明白だった。アジア・太平洋戦争後30年近くフィリピン・ルバング島に潜伏し、終戦したことを信じず多数の現地人を殺害しているのだから。一人の人間の力強い生き様を描いただけでは炎上不可避である。また、監督はフランス出身のアルチュール・アラリである。外国人が日本とフィリピンとの関係、強いては日本軍のある種カルト教団的体制を捉えることができるのだろうか?最近だと『MINAMATA-ミナマタ-』の例があるだけに不安しかなかったのですが、杞憂でした。尚、ネタバレ記事です。
ポレポレ東中野界隈で話題となったコロナ禍ドキュメンタリー『東京自転車節』があつぎのえいがかんkikiにやってきましたので観ました。本作はコロナ禍で仕事を失った映画監督の青柳拓が山梨から東京へ自転車一台上京し、Uber Eats配達員に挑戦する様子を撮ったもの。町山智浩がラジオで取り上げたこともあり、かなり評判高い映画ではあったのですが、これがかなり困った内容でありました。今回はネタバレ考察として本作を掘り下げていきます。