感想

2021映画

『DUNE/デューン 砂の惑星』ヴォイスが我々に語りかける

アレハンドロ・ホドロフスキーが頓挫させ、デヴィッド・リンチが失敗させてしまった悪夢の映画化『DUNE』にドゥニ・ヴィルヌーヴが名乗りを挙げた。すっかりSF超大作の人となった彼が『DUNE/デューン 砂の惑星』を映画化。2部作の前編が日本で公開された。Twitterでの評判はお葬式モードでした。確かに、それも納得な作品である一方で、『十戒』、『ベン・ハー』、『天地創造』といった50~60年代の超大作を彷彿とさせる見応え抜群な映画となっていました。

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【YIDFF2021】『理大囲城』籠城戦で壊れていく学生たち

山形国際ドキュメンタリー映画祭2021大賞を獲った作品は香港民主化デモにおける香港理工大学籠城事件を内部から捉えた『理大囲城』だった。匿名の監督たちによる作品より、本作には監督が実質存在しない。現地では上映できず、日本公開も非常に難しいとのことなので、最終日の臨時上映に駆けこみました。本作に採点をつけるような真似は私にはできない。だが、多くの方に観て欲しいので、FilmarksとTwitterのみ★5をつけることにしました。

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『彼女はひとり』立教大学大学院映像身体学科が熱い!

アメリカだと、ニューヨーク大学ティッシュ・スクール・オブ・ジ・アーツが力を持っており、第71回カンヌ国際映画祭のコンペティションに学校のプロジェクトで作った映画『Yomeddine』を出品したり、セネガル出身監督ママドゥ・ジャの『Baamum Nafi』を第72回ロカルノ国際映画祭で2冠(Golden Leopard – Filmmakers of the Present,Best First Feature)に導いたりしている。

では日本ではどうか?

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【YIDFF2021】『燃え上がる記者たち』自由がないから私は結婚しません

完全に応用情報技術者試験と期間が重なりてんやわんやな私ですが、山形国際ドキュメンタリー映画祭の作品は日本公開されない作品が多いことと新型コロナウイルスパンデミックで苦境に立たされている状態での開催故一本でも多くの作品を観られたらなという思いが強いため時間を作りました。今回観た作品はインドのジャーナリスト映画『燃え上がる記者たち』です。『由宇子の天秤』がTwitterの映画界隈を賑わせている今、日本劇場公開されるべき傑作でしたので語っていきます。

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【YIDFF2021】『発見の年』巨大化しすぎた敵に跪く

山形国際ドキュメンタリー映画祭の作品は、日本公開されないものも少なくない。超長尺映画となると尚更だ。故に、ドキュメンタリー映画好きとしては積極的に挑戦していきたいものがある。さて、本祭の超長尺映画枠としてスペインから『発見の年』がやってきた。本作は新大陸発見から500年後の1992年、オリンピックや万博の華やかな雰囲気の裏で蹂躙される市民の怒りを2画面で200分綴った超大作となっている。日本も2021年、東京オリンピックが開かれ、テレビでは華やかなニュースが流れる裏で、市民の猛烈な抗議が行われた。他人事ではない内容なので観てみました。