カイロ中央駅(1958)
原題:باب الحديد
英題:Cairo Station
監督:ユーセフ・シャヒーン
出演:ファリード・ シャウキー、ヒンド・ロストム、ユーセフ・シャヒーンetc
評価:60点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
第39回東京国際映画祭にて生誕100年ユーセフ・シャヒーン監督特集が組まれている。ユーセフ・シャヒーンといえば、エジプト映画の父であり、アメリカで映画の勉強をした後、イギリス支配下のアレキサンドリアの文化と政治に関する映画を多数制作した。
「死ぬまでに観たい映画1001本」には『カイロ中央駅』が掲載されている。本作はシャヒーン自らが足の不自由な男を演じており、エジプトにおける労働者の権利を本作にて主張したのだが、12年に渡り上映禁止となってしまった作品である。本作が再び発見されたのは本作が制作されてから約20年後である。
『カイロ中央駅』あらすじ
Youssef Chahine established his international reputation with this masterpiece, which, though initially a commercial failure in Egypt, would become one of the most influential and celebrated works in all of Arab cinema. The director himself stars as Kenawi, a disabled newspaper hawker whose obsession with a sultry drink seller (Hind Rostom, known as the “Marilyn Monroe of Arabia”) leads to tragedy of operatic proportions on the streets of Cairo. Blending elements of neorealism with provocative noir-melodrama, Cairo Station is a work of raw populist poetry that explores the individual’s search for a place in Egypt’s new postrevolutionary political order.
訳:ユセフ・シャヒーンは、この傑作によって国際的な名声を確立しました。本作はエジプト国内では当初興行的に失敗したものの、やがてアラブ映画史上、最も影響力があり高く評価される作品の一つとなりました。監督自身が演じるのは、障害を抱えた新聞売りケナウィです。「アラブのマリリン・モンロー」と称されたヒンド・ロストム演じる色気のある飲み物売りの女性に執着するあまり、彼はカイロの街角でオペラさながらの悲劇を引き起こすことになります。ネオレアリズムの要素と、挑発的なノワール・メロドラマのスタイルを融合させた『カイロ中央駅』は、革命後のエジプトにおける新たな政治秩序の中で、自らの居場所を求める個人の姿を描き出した、生々しくも庶民的な詩情に満ちた作品です。
※クライテリオンより引用
エジプト映画史の代表作
映画は人々が行き交うカイロ中央駅を捉えている。この撮影はマーティン・スコセッシ『ヒューゴの不思議な発明』やダニー・ボイル『スラムドッグ$ミリオネア』を彷彿とさせるものがあり、群衆全体の活気の提示と個性的なキャラクターの提示を同時に行っている。
足の不自由な青年キナウィは新聞配達の仕事を得る。そんな彼はドリンク売りのハンヌマに一目ぼれする。彼女は婚約者であり、労働組合を結成しているような人物。キナウィと同じ労働者でありながら視座は大きく異なっていた。そして、彼女はどこかファムファタールのような誘惑的なものを持ち合わせている。故に、キナウィは彼女に接近する。そして彼女はそんな彼を利用する。
キナウィは非モテであり、セクシー女性のポスターを切って気を紛らわしているような人物である。一方でハンヌマはハワード・ホークス映画に出て来る女性のようにひとたび現れると群衆の中心で人々を魅了する。対照的なふたりが、駅という列車の運動が激しい場所で思惑を重ね合わせ悲劇へと結びつく。サブストーリーとして、列車に轢かれるか否かの宙吊りのサスペンスがスパイスとして機能しており、パワフルな一本といえよう。










