きれっぱしの愛(2025)
Ástin Sem Eftir Er
監督:フリーヌル・パルマソン
出演:Panda、サーガ・ガルザルスドッティル。スベリル・グドナソン、Ída Mekkín Hlynsdóttir etc
評価:60点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
夜勤明けにフリーヌル・パルマソン新作『きれっぱしの愛』を観てきた。これが思っていたのと大きく異なる作品で度肝を抜かれた。
『きれっぱしの愛』あらすじ
「ゴッドランド GODLAND」で世界的に注目を集めた北欧アイスランドの気鋭フリーヌル・パルマソンが監督・脚本を手がけ、片田舎に暮らす家族のささやかな日常を、移りゆく四季とともにユーモアと皮肉を交えて描いたドラマ。
アイスランドの田舎町。アンナはしっかり者の長女イダやいたずら好きな双子のグリムールとソルギス、そして愛犬のパンダと暮らしながら、芸術家としての道を模索する日々を送っている。若くして結婚したマグヌスとはすでに別れているが、いまだに情を断ち切れず、元夫マグヌスは何かと理由をつけては家を訪ねてきて一緒に食卓を囲み、ピクニックにまで同行する。いつしか、まだ家族であるかのような日常を過ごすようになる彼らだったが……。
コメディアン・俳優・歌手として活躍するサーガ・ガルザルスドッティルがアンナ役、「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」「蜘蛛の巣を払う女」などのスベリル・グドナソンがマグヌス役で絶妙な距離を保つ元夫婦を演じ、パルマソン監督の3人の実子と愛犬パンダが家族役で出演。2025年・第78回カンヌ国際映画祭にてパルム・ドッグ賞を受賞。
牧歌的な空間にビックリ箱
本作はユニークな制作で生み出されている。本作における子どもたちが案山子のようなものを作ってロールプレイする様を定点で撮影した『Jóhanna af Örk』がある。こちらを先に観ていたので大きく驚かされることとなった。映画はいわゆるテオレマであり、一家に元夫のマグヌスが執拗に接近していくといった内容なのだが、映画はそれを横に置き、牧歌的/暴力的創作活動を反復横跳びさせている。冒頭では家の屋根が解体される様をダイナミックに撮られている。かと思うと錆を使ったアート作品制作や、キノコを剥く様子を解放的イメージで語っていく。しかし、油断をすれば肉体損傷レベルの大惨事が現出する。フリーヌル・パルマソンは日常における牧歌的空間から突如暴力的なものが飛び出す、濱口竜介が会話劇で行っていることをフィジカルで実践している監督なのだが、そのひとつの到達点を観たのであった。










