GABIN(2026)
監督:Maxence Voiseux
評価:70点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
カンヌ監督週間2026にて上映されたドキュメンタリー映画『GABIN』を観た。子どもの成長を追ったオーソドックスな作品だと思ったら、かなりユニークな手法が用いられた作品であった。
『GABIN』あらすじ
Torn between family loyalty and his desire for freedom, Gabin observes over ten years a boy fighting to emancipate himself from his working-class background in the rural North of France.
訳:家族への忠誠心と自由への渇望の間で葛藤するギャバンは、フランス北部の田舎で労働者階級の出自から抜け出そうと奮闘する少年を10年以上にわたって観察する。
人生の岐路に立つ少年ギャバン
少年ギャバンが父親を見つめるところから始まる。どこか緊迫感ある空間は、ギャバンが既に父親に対して猜疑心を抱いているような感覚がある。精肉屋を営む父は家業をギャバンに継いでほしいと願っている。しかし、彼が成長するにつれ、摩擦が生じてくる。ギャバンは動物を殺すよりかは歩み寄りたいと考えているのだ。フランスの教育システムは日本以上に早期に進路が分かれるという。14歳になったギャバンは人生の岐路に立たされる。寄宿学校に行くか、父親の下で働くかを迫られるのである。映画の終盤では、うつむきながら苦悩する彼の肖像と、恐らく息子は自分の言うことを聞かないからいつか廃業することになるだろうと落胆する父の姿が映し出される。
本作が興味深いのは、未確定な将来に対してシミュレーションゲームと廃墟をまるでデュナミス/エネルゲイアの関係性で映している点にある。ギャバンは農場シミュレーションゲームで牛を育てたり、精肉所らしき場所を燃やしたりしている。彼の心象世界、現実になっていないものがシミュレーションゲームを通じて可視化されている。そして現実にある廃墟は精肉店が廃墟になる未来を示唆しているように思える。この独特な手法がギャバンの不整形な物語に強固な輪郭を与えているのだ。










