薄墨の桜(1977)
監督:羽田澄子
評価:70点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
シネマヴェーラにて開催中の羽田澄子に足を運んでみた。YouTubeのコメントで『薄墨の桜』が重要作らしいので観てきたのだが、これがよかった。
『薄墨の桜』あらすじ
岐阜県根尾川の上流にある推定樹齢千三百年とも言われる桜の古木。継体天皇のお手植えという伝説がある桜の歴史と、木を取り囲むように建った六軒の家の人々の日常を記録する。若い桜を接ぎ木することで生きながらえ、人気のない山麓で絢爛たる花をつける巨木。毎朝その桜に仏飯を供える人々の営み。まさに自然を神として生きてきた日本の歴史である。(『古代の美』と二本立て)
※シネマヴェーラより引用
満開の外側で
『薄墨の桜』は羽田澄子監督の中で転換期のひとつとされている作品で、日本三大桜のひとつ薄墨桜を扱ったドキュメンタリーだが、満開の外側に目を向けられている。映画は桜が咲いていない時期の木に目を向け、一度は枯れてシロアリに蝕まれていたものの、幹に新しい根を植え付けることで新しい生を宿し保護していく活動へと向けられていく。薄墨の桜は村人にとってのシンボルであり、信仰や風習の中心にある。映画は単なる観光地としての桜ではなく人間と共生する桜像を捉えていくのだ。
さらに、本作は映画監督である羽田澄子の眼差しをメタ的に捉えている。随所に女がカメラへ目を向けるドキュメンタリーではないショットが組み込まれている。これは被写体を前にした監督の心理的距離感や心象世界を表現しており、極私的なエッセイたる役割を担っている。なるほど、これは確かに羽田澄子を語る上で重要な一本であった。











