『Twilight』深淵なる長回し

Twilight(1990)

監督:György Fehér
出演:ペーテル・ホウマン、デルジ・ヤーノシュ、ユディット・ポガーニュ、Kati Lázár、レーナールト・イシュトヴァーンetc

評価:90点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

Eastern European Moviesにずっと観たかったGyörgy Fehérの『Twilight』が4K版として配信されていたので観た。これが噂通りすごい作品であった。

『Twilight』あらすじ

Twilight is a 1990 Hungarian movie directed by György Fehér, is a moody film set in post-war Budapest. Shot in stark black and white, it follows a weary detective navigating a world filled with crime and corruption. The movie captures the gritty reality of a city struggling to rebuild and the people trying to find their way in it. It’s a raw, intimate look at the challenges of seeking justice and redemption in a place where right and wrong aren’t always clear.
訳:Twilightは1990年のハンガリー映画で、監督はギョルギー・フェヘール。モノクロで撮影されたこの映画は、犯罪と腐敗に満ちた世界を進む疲れ果てた刑事の姿を描いている。この映画は、再建に奮闘する都市と、その中で自分の道を見つけようとする人々の厳しい現実をとらえている。正義と悪が必ずしも明確でない場所で正義と救済を求めることの難しさを、生々しく、親密に描いている。

Eastern European Moviesより引用

深淵なる長回し

タル・ベーラに似た白黒長回し系の作品なのだが、タル・ベーラが凝りに凝ったカメラの移動を行うのに対して、こちらはジッと被写体を見つめ、決定的瞬間の発生を見守る。これがギョッとするものとなっており、例えばおじさんの顔を凝視していると思いきや、レイプに近い暴力が激る。カメラの配置の一貫して不気味さを演出しており、車の後ろの席からのショットは外にいる人の顔を映さないようにしている。4Kになったとはいえ、全体的に画は暗く、よくわからない空間が段々と正体を表していく様に独特の美学を感じた。どうだろう、最近円安の影響からか昔の映画のリバイバルがよく行われるが、本作も上映できるのではないかとうっすら思ったのであった。