『おかしなドラマ』植物学者兼小説家の修羅場とは!?

おかしなドラマ(1937)
Drôle de drame

監督:マルセル・カルネ
出演:ルイ・ジューヴェ、フランソワーズ・ロゼー、ミシェル・シモンetc

評価:75点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

Amazon Prime Videoにはクラシック映画がたくさんある。マルセル・カルネの『おかしなドラマ』を観たら、想像以上に面白かった。

『おかしなドラマ』あらすじ

自宅で植物を育てている学者は、一方別人の名でこっそり悪の手引書を書く小説家でもあった。
いとこの司教がこの小説家を糾弾する集会を開き、これに学者も招待されるのだが・・・・。
学者の家のメイド、彼女を口説いている牛乳屋、社会に不満を抱く青年と、様々な人物を登場させて描いた上質な風刺ドラマ。

※Amazonより引用

植物学者兼小説家の修羅場とは!?

本作において冒頭のシーンが極めて重要となる。たった10分で世界観を説明して見せるのだ。犯罪小説を糾弾する司教。そこに親戚の植物学者が現れる。そんな中、一人の男が立ち上がり、原作者を殺害すると宣言する。植物学者は過度に怯え、司教に疑われる。まさしく彼こそがその犯罪小説の作者だったのである。小説家は殺人に怯えつつも、妻に言われ小説を書こうとするが、司教が家に上がり込み、なかなか執筆できない。三つ巴の追う/追われるの関係性が修羅場の鶴瓶打ちを形成する。マルセル・カルネってこんな修羅場映画を撮れるんだと驚かされた。また、植物の描写が興味深い。植物学者にもかかわらず、ミモザに酒を与えている。ミモザが喜んでいる様子を、ミモザを揺らして表現するところにチャーミングさを感じる。また、食虫植物が虫を捕食する決定的瞬間を撮るのが当時の技術では難しかったのであろう。ストップモーションアニメーションで決定的瞬間を捉えているところがまた興味深い。Amazon Prime Videoは改めて映画の宝庫だなと感じたのであった。