『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』落下、無防備、必殺

劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)(2023)

監督:竹内一義
出演:神谷明、伊倉一恵、一龍斎春水(麻上洋子)、玄田哲章etc

評価:50点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

『シティーハンター』はスケベコメディとシリアスアクションの塩梅、そしてTM NETWORK「Get Wild」の素晴らしさもあってライトに好きな作品だ。新作が出るということで、リモートワーク中ずっと「Get Wild」をヘビロテして、いざ劇場へと向かった。今回は新曲「Whatever Comes」がオープニング曲として使われ、劇中「DEVOTION」などといった楽曲が挿入されている。つまり『シティーハンター』好き、TM NETWORK好きにとってご褒美のような作品と言えよう。

『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』あらすじ

北条司の大ヒットコミックをアニメ化した「シティーハンター」の劇場版。

新宿を拠点にさまざまな依頼を解決する凄腕の始末屋「シティーハンター」の冴羽リョウとパートナーの槇村香のもとに、動画制作者の女性アンジーから、逃げた猫を捜して欲しいとの依頼が入る。一方、警視庁の野上冴子は海坊主と美樹の協力を借り、バイオ企業ゾルティック社の発明について捜査に乗り出す。その発明は戦場の兵士を超人化する恐ろしいもので、かつてリョウをむしばみ、パートナーの槇村秀幸を死に追いやった「エンジェルダスト」の最新型だった。

声優陣にはリョウ役の神谷明、香役の伊倉一恵らオリジナルキャストが再結集。前作「劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ」に続いてこだま兼嗣が総監督、「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」のむとうやすゆきが脚本を手がけ、「TM NETWORK」がエンディング曲「Get Wild」に加えオープニング曲も担当。

映画.comより引用

落下、無防備、必殺

とあるアイテム「エンジェルダスト」の最新型の強奪ミッション中に励むリョウ一行。しかし、仮面を被った人物に横取りされてしまうところから始まる。ミッション失敗、心機一転する中、とある外国人女性がアンジーが現れる。猫探しのために高額な報酬を提示する彼女。リョウのセクハラに動じない彼女。そんな彼女の裏の顔が露わになった時、壮絶な戦いの火蓋が切って下される。前半は、お決まりのスケベコメディパートが天丼ギャグとして提示される。昭和のノリは踏襲しつつも、マッチングアプリや動画配信といった令和のコンテンツに歩み寄る。

ジェットコースターは絶頂に達すると急降下するように、リョウの物語は突然重いドラマへと転がっていき、引き金を引くこととなる。本作は全体的にアクションとして登場人物とカメラとの距離関係が上手くないように見える。スローモーションを抑えた早いアクションを展開するも、銃と肉弾戦の手数が貧しく、廃墟や船、階段といった空間を使った駆け引きがあまりに少ないのが致命的だったように思える。しかしながら、一つよかったアクションもある。それはリョウが落下しながら銃弾を敵に叩き込む場面である。今まで、ヒットアンドアウェイを行っていた彼が落下という無防備な行動を取る。しかし、その無防備さには勝利への確信があり、相手の攻撃よりも先にオーバーキルすることで勝利を掴むのだ。これは実写だと非常に難しい描写である。アニメだからこそできるアクションであり、そのアクションを映えさせるための、膠着した銃撃戦を直前に入れているところに唸った。こういうのを全体的に魅せて欲しかったなと思った。

あっGet Wildは良かったです。

アスファルト タイヤ切りつけて帰ったのであった。

関連記事

『シティーハンター(1993)』ジャッキー・チェンはアスファルト切りつける
【ネタバレ】『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』これぞ実写化のお手本だ!
【ネタバレ】『劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>』もっこりアクション!冴羽獠のロジャー・ムーア感に惚れる

※映画.comより画像引用

created by Rinker
ソニー・ミュージックレーベルズ