『バタアシ金魚』青春映画の金字塔

バタアシ金魚(1990)

監督:松岡錠司
出演:筒井道隆、高岡早紀、白川和子、土屋久美子、東幹久、佐藤オリエetc

評価:75点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

Amazon Prime Videoで青春映画の金字塔『バタアシ金魚』が配信されていたので観た。噂以上に面白い作品であった。

『バタアシ金魚』あらすじ

ある日の放課後、プールサイドのソノコに一目惚れしたカオルは自分がカナヅチにもかかわらず水泳部に入部してしまう。そんないまどき珍しいくらい無邪気な彼にソノコはすっかりあきれてしまうのだった。自分が困ったときだけ接近するガールフレンドのプーを口説いてバイクを借りたカオルは毎朝ソノコを強引に迎えに行く。さらにソノコの母まさえを味方につけ、ちゃっかり家にあがりこんでまさえと冷麦をすすったりしている始末で、ソノコは開いた口がふさがらない。そんなある日、ソノコとの愛の為にオリンピック出場を決意したカオルはスイミングクラブに通い始める。

映画.comより引用

青春映画の金字塔

屋上で寝転がる。向かいの校舎から呼びかけられる。バイクを蒸す。先生が見下ろしながら怒る。教員室の雑多な空間が映る。学校の忙しなく、でも現実の社会とはどこか隔絶されたようなユートピアを冒頭の10分で魅せる。そんな理想郷をバイク持って歩く男子学生に水がバシャっとかかる。ボーイ・ミーツ・ガールの瞬間が訪れる。それ以来、カナヅチにもかかわらず水泳部に入部し、周囲に迷惑をかけながらもソノコ一筋追いかけ、坊主にまでなってしまう野生的な運動がひたすら捉えられる。学校が舞台なので、運動は群れを持つことが多く、赤い軍団に包囲される場面では漫画のような扇状の構図で主人公を取り囲む。通俗な青春映画に見えるが、全てのショットがバキバキに決まっており、青春の夏を切り取ったような爽やかさが駆け巡る爽快な作品であった。