『アバランチ作戦』アポロ計画に潜入しているスパイを見つけ出せ!

アバランチ作戦(2016)
Operation Avalanche

監督:マット・ジョンソン
出演:マット・ジョンソン、オーウェン・ウィリアムズ、クリスタル・マディソン、トム・ボルトンシャロン・ベルetc

評価:70点



おはようございます、チェ・ブンブンです。

第73回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に選出された『BlackBerry』がめちゃくちゃ面白かったので、マット・ジョンソン監督の過去作『アバランチ作戦』に触れてみた。マット・ジョンソン監督といえば、2019年にテン年代ベスト選定の追い込みとして観た『THE DIRTIES』が印象的な監督である。ドキュメンタリータッチで、オタク少年の醜悪な部分を目撃していくスタイルが興味深かった。『アバランチ作戦』でも同様にドキュメンタリータッチが効果的に使われていた。

『アバランチ作戦』あらすじ

In 1967, four undercover CIA agents were sent to NASA posing as a documentary film crew. What they discovered led to one of the biggest conspiracies in American history.
訳:1967年、4人のCIA潜入捜査官が、ドキュメンタリー撮影隊を装ってNASAに派遣された。彼らが発見したものは、アメリカ史上最大の陰謀のひとつにつながった。

IMDbより引用

アポロ計画に潜入しているスパイを見つけ出せ!

60年代風のチープなフィルム的質感で、NASAの内部を捉えていく。マット・ジョンソン率いる4人組のCIA捜査官は、アポロ計画内部にソ連のスパイが潜んでいることを調査すべく、ドキュメンタリー撮影を装って行動していく。隠し撮りのようなアングルで、NASA職員たちの素顔を捉えていく。その中で滑稽さが染み出していくのだが、映画は突然生々しい銃撃戦が勃発し、これがスパイ映画であることが思い知らされる。中でも終盤のカーチェイスは見事であり、真横から敵に発砲されるも、なんとか逃げ切れそうになる。しかし、前方から敵車が現れてしまう。急いで銃を取ろうとするが、運転しながらなのでうまくいかず、スルリと手からこぼれ落ちてしまう。仕方がないので、頭を低くしながらバック走行で切り抜けて行こうとするのだ。映画としては若干のグダグダ感があったものの、時折切れ味抜群なショットを挿入してくるあたり、マット・ジョンソン監督がいかにドキュメンタリータッチを使いこなしているかが分かることだろう。注目の監督である。

※IMDbより画像引用