【CPH:DOX2023】『THE OTHER PROFILE』俺のドッペルゲンガーがコンゴにいる話

THE OTHER PROFILE(2023)

監督:Armel Hostiou

評価:55点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

デンマーク最大のドキュメンタリー祭りCPH:DOXで「なりすまし」を扱った作品が上映されるとのことで観てみた。

『THE OTHER PROFILE』概要

French filmmaker Armel Hostiou discovers he has a double in Kinshasa. Someone has created a fake Facebook profile in his name to hustle aspiring actors. So Armel heads to Congo’s vast capital to track him down, and there begins one of the wildest and most unpredictable films of the year. An elementally suspenseful and wildly entertaining detective story about a white filmmaker on foreign ground. But also a story which with hilarious self-irony and in one twist after another turns into a darker story about the internet, identities and post-colonial struggles in the 21st century. Armel is helped by a group of young local artists who approach the doppelganger mystery with a casual coolness far from that of their European guest. But every time you think the mystery is solved, ‘The Other Profile’ takes a new turn. For as an elderly fisherman says to Armel around a campfire in the middle of the night, in a chilling scene that makes the little hairs stand up, ‘If you’re looking for the fake, search inside yourself.’
訳:フランス人映画監督アルメル・ホスティウは、キンシャサに二重人格者がいることを発見する。何者かが彼の名前で偽のFacebookプロフィールを作成し、俳優志望者を騙しているのだ。そこでアルメルは、彼を追跡するためにコンゴの広大な首都に向かい、そこから今年最もワイルドで予測不可能な映画の1つが始まる。異国の地で活躍する白人映画監督を描いた、サスペンスフルかつワイルドな探偵物語である。しかし、この物語は、愉快な自己皮肉を交えながら、次々と21世紀のインターネット、アイデンティティ、ポストコロニアルの闘いについての暗い物語へと変化していくのである。アルメルは、地元の若いアーティストたちに助けられ、ヨーロッパからのゲストとは異なるカジュアルな冷静さでドッペルゲンガーの謎に取り組む。しかし、謎が解けたと思うたびに、「もう一人のプロフィール」は新たな展開を見せる。真夜中のキャンプファイヤーの周りで、年老いた漁師がアルメルに言うように、小さな毛が逆立つような寒いシーンで、「偽物を探しているなら、自分の中を探しなさい」と言うからである。

CPH:DOX2023より引用

俺のドッペルゲンガーがコンゴにいる話

ある日、Facebookで自分と同名のアカウントがあることを知る。なぜかコンゴ民主共和国で活動しているようで、女性系のアカウントばかりフォローしているようだ。あまりに胡散臭く、ヤバそうなアカウントだ。このままだと、自分の交流関係にも影響を及ぼすと、削除申請を送ったところ、Facebookからは「このアカウントはフェイクではないので削除できません」と返信がある。しょうがないので単身、コンゴ民主共和国へと降り立っていく。

本作は、結末が全くわからないまま、カメラ片手にコンゴ民主共和国へと乗り込んだ男の記録となっている。この手のドキュメンタリーはいろんな意味で撮れ高勝負なところがある。最初は現地の人に聞き込み調査を行う。「コンゴ民主共和国は人口が多いから、そう簡単に見つからないよ」と言われ、暗礁に乗り上げる中、段々と暗部へと近づいていく。ただ、やはり撮れ高不足だったのかなという印象があり、終盤に行くに従って尻窄みな作品となってしまっていた気がした。

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※CPH:DOXより画像引用