愚なる妻(1921)
FOOLISH WIVES
監督:エリッヒ・フォン・シュトロハイム
出演:エリッヒ・フォン・シュトロハイム、ルドルフ・クリスティアンズ、ミス・デュポン、モード・ジョーンズ、メエ・ブッシュ、ハリソン・フォードetc
評価:55点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
「死ぬまでに観たい映画1001本」掲載のサイレント映画『愚なる妻』を観た。本作はエリッヒ・フォン・シュトロハイムが莫大な資産を投じて作った超大作とのことで、当初は6時間あったらしい。MUBIでは2時間半版が配信されていたので観てみた。
『愚なる妻』あらすじ
ここは観楽の都として有名なる地中海に臨む一小国モナコの港モント・カルロである。米国から重要な使命を帯びて来たアンドリュー・ヒューズ夫妻は彼等がここを踏むや否や、既に彼等を狙う悪魔のある事を知らなかった。悪魔とは何者?そはペチニコフ姉妹及び伯爵カラムジンとて露国貴族なりと称する3人である。
※映画.comより引用
殺傷能力100の業火
自分は、退屈だと思った映画も基本的に最後まで完走するようにしている。実は終盤の方で面白くなる可能性があるからだ。直近だと、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』がそうだった。ジェームズ・キャメロンマシマシなアクションパートに惹かれた。これがあるから映画はやめられない。さて、本作は大半が退屈な映画に感じた。サイレント映画特有の空間の面白さやアクションの魅力を感じされず、心を無にして観ていた。しかし、終盤で火災が発生するのだが、ここがとてつもなく面白い。殺傷力高めな業火。それに対してムンクの叫びと思しき人々の顔芸が強烈だ。そして映画は、救助する側と、建物に取り残された側のスペクタクルへと発展する。双方を繋ぎ止めるのは垂直のアクションであり、トランポリンを配置して、落下を促すのだ。この場面だけは、画で物語る強さを感じられてよかった。エリッヒ・フォン・シュトロハイムならもっぱら私は『グリード』派である。