【ナイジェリア映画研究】『ラトルスネーク』絶望に絶望を乗せて遥か彼方へ

ラトルスネーク(2020)
RattleSnake: The Ahanna Story

監督:Ramsey Nouah
出演:スタン・ンゼ、オサス・イゴダロ・アジバデ、ブッチ・フランクリンetc

評価:75点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

Netflixにあるナイジェリア映画を片っ端から観ている中で、興味深い犯罪映画に出会ったので紹介していく。今回のタイトルは『ラトルスネーク』です。

『ラトルスネーク』あらすじ

残酷な世界に絶望し、仲間を集めて強盗団を結成した切れ者のアハンナ。大胆な犯行を次々と成し遂げた彼は、いつしか多くの敵に狙われるようになっていく。

Netflixより引用

絶望に絶望を乗せて遥か彼方へ

政治家は罪を犯しても、大して罰せられないのに、一般人が罪を犯すと私刑に晒されるのは何故だ?そう疑問に思うアハンナ(スタン・ンゼ)の生活は、親父の死により急変する。貧しい家庭は離散することとなり、なんとか学校を出たものの、彼は無職で自暴自棄となっている。そんな中、おばちゃんから手紙をもらい、旅に出る。しかし、不幸の回転木馬に乗ってしまった彼の苦難は続く。乗合いタクシーで身ぐるみを剥がされてしまう。友人と会うと、彼はギャングから命を狙われており、一緒に強盗をする羽目になる。しかし、強盗した先が自分のよく知る人物の家であることが発覚してしまう。

不幸の釣瓶打ち映画はあまり好きではないのだが、本作における不幸描写は非常に重要だ。不幸を執拗に並べることにより、七人の侍のようにギャングチームを結成する動機が強固なものとなる。怖いものなし、開き直りの精神で罪を犯していき、政治家のように金と権力で揉み消せるような人物になろうとする渇望が染み出してくるのだ。

実際にナイジェリア社会は汚職が多いらしく、金が横流しにされ、市民はその割りを食っていると聞く。その怒りをぶつけた渾身の犯罪映画だったと言えよう。

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