【 #死ぬまでに観たい映画1001本 】『UTU/復讐』小屋を撃つ、味方を撃つ

UTU/復讐(1983)
UTU

監督:ジョフ・マーフィ
出演:アンザック・ウォレス、ブルーノ・ローレンス、ウィ・クキ・カー、ジョン・バック、ケリー・ジョンソンetc

評価:75点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

「死ぬまでに観たい映画1001本」掲載のニュージーランド映画『UTU/復讐』を観ました。これが壮絶な内容でした。

『UTU/復讐』あらすじ

In New Zealand in the 1860s the native Maori people fought the British colonials to keep the land guaranteed to them by treaty. The warrior Te Wheke fights for the British until betrayal leads him to seek utu (revenge).
訳:1860年代のニュージーランドでは、先住民族のマオリ族が、条約で保証された土地を守るためにイギリスの植民地と戦っていた。戦士のTe Whekeはイギリス軍のために戦っていたが、裏切られてUtu(復讐)を求めるようになる。

MUBIより引用

小屋を撃つ、味方を撃つ

イギリス軍に従事する兵士テ・ウェケが故郷を破壊されたことをきっかけに、軍を裏切って復讐の鬼となる話。80年代、VHS時代ならではの壮絶なアクションが所狭しと敷き詰められている。冒頭から、子どもの名を呼ぶ母親らしき女性が軍によって酷い撃たれ方をする。軍を裏切る時のウェケの顔がとてつもなく怖い。『ノーカントリー』のハビエル・バルデムのような不敵な笑いを浮かべながら銃を突きつける場面は、観ている方もゾッとしてしまう。ウェケはその後も、突然教会へ殴り込み、人々がいる前で、神父を抹殺し、生首を掲げ始めたりする残忍さを魅せる。

暴力が支配する世界で、生と死が紙一重であることを重厚に描いており、スナイパーが軍を撃つ。軍が周囲を見渡す。スナイパーが次なる一撃をくわえようとすると、銃筒を掴まれ、慌てて死んだふりをする場面のドキッとするようなショットがたまりません。

そしてなんといっても、本作は修行シーンが面白い。銃の性能を確かめるように、小屋に向かって発砲し、小屋が粉砕されていく。この重厚な銃声と破壊は堪らなかった。確かに、唯一無二感溢れる作品であり、「死ぬまでに観たい映画1001本」掲載も納得である。

ジョン・マーフィ映画と言えば『クワイエット・アース』も「死ぬまでに観たい映画1001本」に掲載されているので挑戦してみたいところである。

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※MUBIより画像引用

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