『ジャンヌ・ダルク(リュック・ベッソン版)』神の「声」の可視化

ジャンヌ・ダルク(1999)
The Messenger: The Story of Joan of Arc

監督:リュック・ベッソン
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、ジョン・マルコヴィッチ、フェイ・ダナウェイ、ダスティン・ホフマン、ヴァンサン・カッセル、チェッキー・カリョ、パスカル・グレゴリー、デズモンド・ハリントン、リチャード・ライディングスetc

評価:60点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

ジャンヌ・ダルク映画を集中的に観ている。重い腰をあげてリュック・ベッソン版を観賞しました。すっかりバイオ・ハザードの印象が強いミラ・ジョヴォヴィッチがジャンヌ・ダルクを演じていると負ける気がしないのですが果たして…

『ジャンヌ・ダルク』あらすじ

「レオン」のリュック・ベッソン監督が、フランスの国民的英雄として知られる女性ジャンヌ・ダルクの生涯をミラ・ジョボビッチ主演で映画化。百年戦争下のフランス。小さな農村で暮らす信仰心のあつい少女ジャンヌは、イギリス軍に家族を殺され親戚のもとへ身を寄せる。やがて17歳になったジャンヌは、教会で神の声を受け、神の使者としてシャルル王太子に謁見することに。軍を率いて戦場へと向かったジャンヌは、イギリス軍を相手に劇的な勝利をおさめるが……。

映画.comより引用

神の「声」の可視化

1898年に最初のジャンヌ・ダルク映画が作られて約100年を飾る本作は、意欲作となっている。ジャンヌ・ダルク映画において、神の声はあまり表現されない傾向がある。確かに、ジョルジュ・メリエスやブリュノ・デュモンは、神を直接描いていたりするが、あっさり神との邂逅を終わらせてしまう。だが、神の声を聞かされ続けたジャンヌ・ダルクは苦しんでいたのではないか?リュック・ベッソンはVFXが注目されてきた1990年代に、その技術を用いてジャンヌ・ダルクに寄り添った。

神の声を聞くジャンヌ・ダルクの悪夢のような世界が展開される。突然原っぱで目が覚め、気がつけば戦場にいる。非現実的な空気感をVFXで表現する。また、神の声という抽象的なものは、フワフワとしており、簡単に真実が歪められてしまう。牢獄で、男からジャンヌ・ダルクの見た真実をぐちゃぐちゃ掻き回される様子を、VFXによる世界の反復によって表現しており、ここに唸らせられる。

そして、本作は神の声を通じるジャンヌ・ダルクの精神的不安定さに寄り添っているため、ヴィクター・フレミング版以上に狂人として映る。暴力的でヒステリックな、彼女が戦争という男の世界へ殴り込みにいく。群れを率いるが、孤独であり、どこか神の声という呪縛から逃れようと、勝利を急ぐのだ。

確かに、今観ると少し古臭い活劇に見えるところもあるが、リュック・ベッソンの目線は新鮮だったと思う。

※IMDbより画像引用