ワイルド・スピード/ジェットブレイク(2020)
Fast & Furious 9
監督:ジャスティン・リン
出演:ヴィン・ディーゼル、シャーリーズ・セロン、ナタリー・エマニュエル、ミシェル・ロドリゲス、ヘレン・ミレン、ジョーダナ・ブリュースター、フィン・コール、ジョン・シナ、マイケル・ルーカー、タイリース・ギブソンetc
評価:50点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
1年の沈黙の期間を経てワイスピ最新作が日本公開されました。平日にもかかわらず映画館が賑わっていたことからいかに人々はハリウッド超大作に飢えていたかがよく分かるでしょう。私も普段は日本未公開のアート映画中心に観てますが、たまには映画館で大味アクションに接待されたいもの。ということで観てきました。
『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』あらすじ
メガヒットカーアクション「ワイルド・スピード」シリーズの第9作。ドミニクはパートナーのレティや幼い息子ブライアンと3人で平穏な日々を過ごしていたが、否応なく自身の過去の罪と向き合うことに。ドミニクの実の弟ジェイコブの存在が初めて明かされ、その因果はファミリーを窮地に追い込んでいく。ファミリーは世界を揺るがす陰謀を阻止するため、凄腕の殺し屋で超一流の運転技術を持つジェイコブとの戦いに身を投じる。ビン・ディーゼル、ミシェル・ロドリゲス、タイリース・ギブソンらおなじみのメンバーに加え、「ワイルド・スピード ICE BREAK」に登場したシャーリーズ・セロン扮する悪役サイファーや、サン・カンが演じるハンも再登場。さらに新たな敵となるドミニクの弟ジェイコブ役でジョン・シナが参戦。監督には、シリーズ第3作から第6作を手がけたジャスティン・リンが復帰した。
ワイスピ版ミッション:インポッシブルは車と拳をぶつけて解決するよ
ドミニクことドム(ヴィン・ディーゼル)家族と閑静な田舎町で余生を暮らしている中、新たな騒動に巻き込まれる。墜落した飛行機からとあるブツを回収するミッションのようだ。あっさりブツを見つけるが、そこに軍隊が現れ激しいカーチェイスが始まる。巨大なバギーが襲いかかり、ヘリコプターからは無数のミサイルがドムたちに降り注ぐ。彼らの行く先には地雷原があり、爆発する中突っ走る。落ちる、吊り橋を駆け抜けたりしながら修羅場を乗り越えていく。
あれっ、私はワイスピを観にきたんだよねと一瞬思う。かつてはストリートレース×バディものだった印象が、もはや『ミッション:インポッシブル』になっており、筋肉で不可能を可能にしていくのだ。本作は明らかにトム・クルーズを意識しており、劇中でもロケットエンジンを装着した車に対して『トップガン マーヴェリック』じゃん!とギャグをぶちかます。
そんな脳筋アクションのヴィランも脳筋だ。今回のヴィランは、スター・ウォーズに取り憑かれたおぼっちゃまであり、自分のことをルーク・スカイウォーカー、いやハン・ソロだと豪語する厨二病っぷりをひけらかしている。
でもって内容をよく見ると、父の死によって引き裂かれた兄弟の軋轢というシリアスな話だ。そして脳筋アクションのバカバカしさと、物語の重さが水と油のように不協和音を引き起こしていて、割と前半は退屈で眠くなる。
だが、後半のアクションがグラセフのyoutuber動画でも観たことのないあり得ない世界観で面白くなっていく。磁石でビルの向こう側にいる車を吸引する。磁石で、次々と一般乗用車を装甲車にぶつける。仕舞いには、車を魔改造して宇宙に飛び出し、人工衛星を破壊しようとするのだ。ダクトテープがあれば大丈夫と言っているが、一般人だったら死んでいるだろう。というよりか、眼前に映る場面がどれもローランド・エメリッヒ映画的世紀末なのだが、どういうわけか安心感がある。
なぜならば、ワイスピの民はDC映画のヒーローのように頑丈だからだ。転落したぐらいは無傷。下手すれば銃弾に撃たれてもダメージは1くらいしかないのだ。
前半こそつまらないが、後半の追い上げ、そしてコロナビールの打ち上げを観ると映画観たなという気分になる。こういう映画こそ映画館で観たいですね。
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※imdbより画像引用