『ワンダーウーマン 1984』爆誕!ユメミーワールド大突撃

ワンダーウーマン 1984(2020)
Wonder Woman 1984

監督:パティ・ジェンキンス
出演:ガル・ガドット、ペドロ・パスカル、コニー・ニールセン、クリス・パインetc

評価:70点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

ハリウッド大作が軒並み延期、配信スルーとなる2020年最後の希望として『ワンダーウーマン 1984』が公開された。映画ファン大歓喜に包まれると思ったが、公開されると賛否が真っ二つに分かれ物議を醸しているらしい。DC映画といえば、8:2で賛否が分かれる傾向があるのだが、今回はどうも5:5らしい。というわけで観てきました。

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『ワンダーウーマン 1984』あらすじ


DCコミックスが生んだ女性ヒーロー、ワンダーウーマンの誕生と活躍を描き、全世界で大ヒットを記録したアクションエンタテインメント「ワンダーウーマン」の続編。スミソニアン博物館で働く考古学者のダイアナには、幼い頃から厳しい戦闘訓練を受け、ヒーロー界最強とも言われるスーパーパワーを秘めた戦士ワンダーウーマンという、もうひとつの顔があった。1984年、人々の欲望をかなえると声高にうたう実業家マックスの巨大な陰謀と、正体不明の敵チーターの出現により、最強といわれるワンダーウーマンが絶体絶命の危機に陥る。前作でもメガホンをとったパティ・ジェンキンス監督のもと、主人公ダイアナ=ワンダーウーマンを演じるガル・ギャドットが続投し、前作でダイアナと惹かれあった、クリス・パイン演じるスティーブも再び登場する。
映画.comより引用

映画ワンダーうーまん 爆誕!ユメミーワールド大突撃

1980年代〜1990年代に公開され、12000年代初頭にかけて平日ゴールデンタイムに放送されたハリウッド大作の風格をもった本作は、あの時代のおチャラけアクション映画『ジングル・オール・ザ・ウェイ』や『ラスト・アクション・ヒーロー』のような趣きを持つ映画であった。申し訳程度の冒頭、異世界五輪場面が終わると、1980年代のアメリカに染まりに染まったダイアナの私生活が始まる。オモテの顔は考古学者、ウラの顔はワンダーウーマン。あまりの存在感に、正体を隠しきれていない気がするが、「寂れる」ことを知らない夢が詰まったショッピングモールで悪党を蹴散らしている。

近年のMARVELとDCの関係は、政治のディズニー底抜け娯楽なイルミネーションと薄ら分断することができる。確かに本作は触り程度のジョージ・オーウェル要素や2010年代後半に世界が自分勝手になり始めた時代を示唆しているのだが、やってることは映画クレヨンしんちゃんのような小ボケとギャグのロードムービーだ。なんでも夢が1つだけ叶う石のおかげで、亡くなったスティーブが復活して大喜びなダイアナとダイアナに憧れる気持ちが石に伝わり強くなった女バーバラ、そして虚栄心の塊である実業家マックスの石争奪戦となる。

マックスは自らランプの魔神になることで、巨額な富を得ようとするのだが、頭が悪すぎて、世界中の人の願いを叶え死にそうになっていく。それによって世界が混沌としてくるのをダイアナが阻止していくのだが、世界規模の話にもかかわらず隣町を挟んでの諍いにしか見えなかったり、激しいカーチェイスの先で子どもたちがのほほんと遊んでいたりする。中ボスであるバーバラは映画が進む程にダサく弱くなっていき、ラスボスも小者すぎて対して活躍していない。終いには、1980年代の東京に明らかに2010年代の「コンタクトアイシティ」のタレ看板や、TSUTAYA(当時は峰岸ビルが建っていた)が君臨していたりする。相変わらず日本に対する調査が弱いハリウッド映画のポンコツさが滲み出ているのだが、嫌いにはなれない。

政治とか社会問題どうこうよりも前に、面白い映画、映画館で観たこともない興奮を味わせようという意気込みがひしひしと伝わってくるからだ。ショッピングモールでの戦闘ではくどい程に空中を使ったアクションを魅せてくれる。思えば、冒頭の異世界五輪のシーンは本編と関係なかったりする。だが、SASUKEのような興奮を呼び覚ましてくれるのだ。

こういうのを観ると、映画館で大作観たいな。なんで『ソウルフル・ワールド』がディズニー+限定なんだよと思ってしまう。

故にこの映画に目くじら立てるのはやめておこうと思う。

※映画.comより画像引用

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