【ネタバレ】「ワンダーウーマン」の世界を「トレインスポッティング」が邪魔していた件

ワンダーウーマン(2017)
WONDERWOMAN(2016)

監督:パティ・ジェンキンス
出演:ガル・ガドット、
クリス・パイン、
ロビン・ライト、
ダニー・ヒューストン、
デヴィッド・シューリス、
ユエン・ブレムナーetc

評価:70点

DC…それはマーベル最大のライバルとして君臨するコミック会社。マーベルより数年早く開業している言わばパイセンコミック会社なのだが、映画産業においては大きく引き離されている。「バットマンvsスーパーマン

」「スーサイド・スクワッド

」と毎作期待させておきながらも、多くの観客の不満、フラストレーションを鷲掴みにする作風で世の中を席巻している。

原因は、DCコミック映画界のドン、ザック・スナイダーのワンパターンな作風スロー~~~~とはやーーーーいを組み合わせたアクションだ。基本的にヴィジュアルありきで物語が進むので、点で観ると「おっつカッコイイ!曲もGOOD!」と思いつつ、線で観た瞬間、ガッカリ度が増し増しラーメン二郎になってしまうのだ。

そんなDC最後の切り札と言えるコンテンツ「ワンダーウーマン」がいよいよ日本で公開された。酷評者続出ラジー賞にも暴れ出た「バットマンvsスーパーマン」において、全会一致皆が惚れ込んだシーン、、、それは突如バットマンとスーパーマンの仲違いを仲裁しにやってきたワンダーウーマンがドゥームズデイと戦う場面だ。レッドツェッペリンを思わせる、2016年度最も耳に残るサウンドで、イスラエル出身軍人経験ありの美女美女戦士ガル・ガドットが無双する姿は…スカウターぶっ壊れるほど美しかった、格好良かった、泣けた!本編が-5億点でも、このシーンだけで10億点結果大満足という非常に希有な作品がこの「バットマンvsスーパーマン」。

あれから1年後、「ワンダーウーマン」が単体で帰ってきたのだ!それも監督はアメコミ映画界初の女性監督。しかも、しかもだよ、監督を務めたパティ・ジェンキンスは2003年に「モンスター」という作品を撮って以降、本作を作る為だけに10年以上耐えてきたのだという。それだけワンダーウーマンに愛を捧げていることが容易に予想できる。

ブンブン、早速この「ワンダーウーマン」、仕事帰りにTOHOシネマズ海老名で観てきた。21:30スタート24:00終わりのレイトショーにも関わらず、結構混んでいましたよ。

「ワンダーウーマン」あらすじ

男子禁制マッチョなレディが支配するセミスキラで育ったアマゾン族の王女ダイアナは、最強の戦士になり戦いの神アレスを抹殺することを夢見てウキウキ戦闘準備に入っていた。そんなある日、この島に男一匹紛れ込む。外の世界に戦いの神アレスがいるだろうと男の話から推測した彼女は、島を去り、ドイツのヤバイ作戦爆破計画に繰り出す…

筋肉盛り盛り実写版「モアナ」

本作は、井の中の蛙で外の世界との接触を断絶している島から、少女が飛び出し強大な敵と戦うという話。なんと予告編からじゃ想像できなかったが、、「モアナと伝説の海

」まんまのプロットです。やはり最近、女性の地位向上の動きがSNS等で拡散され、女性の地位向上が社会問題視されているせいだろうか、マッチョな女性が出てくる映画が増えている。

ただし、そんなマッチョな女性頑張っちゃうぞ♪映画の中でも本作はトップクラスにマッチョ!この世界では男は必要ないんじゃないの?というほどヘナチョコでバカだ。

冒頭、マッチョな美女戦士たちの訓練シーンから始まる。ザック・スナイダー印を引き継いだ、皆も飽きたろうスロー~~~~なアクション。それも彼女たちが魅せると本当に美しい!カッコイイ!涙が出る。こんがりと焼け、パンチ、一切の攻撃もなかったことにする強靱な防御力に圧倒される。そんな彼女が、飛行士の男出現で慌てふためく。まるで「白い肌の異常な夜」(ソフィア・コッポラ監督の手でリメイクされましたね)を彷彿とさせる戸惑いっぷりには笑いすら湧く。真面目でピュア、そしてクールな美女戦士達の歓待にすっかりお腹いっぱいのブンブン。

そして、当然ながらガル・ガドットには頭が上がらない。彼女の長い足による回し蹴りなんかみせられてしまうと、彼女に蹴られたい!と思ってしまう程だ!そして中盤にいけば行く程、ブンブン心のボルテージはグンググーーン!上がっていき、頂点に達したところであのテーマ曲ですよ!こりゃ興奮しないわけない。DCやるやんけと思ってしまう。

ただ、、、惜しい!

しかし、やはり、、、やはりな、、、マーベルと比べると冗長蛇足感、ストーリーに説得力がなかったりする。いくら飛行士がアレでも、あんなすんなり戦場にいけるもんかねー。予告編でもフィーチャーされていた戦場でのアクションというビジュアルありきの脚本は、やはり気になってしまう。ということは、そこが気にならないぐらいのアクションが足りないということでもある。いやこれは語弊を呼ぶ。アクションでも払拭できない程、物語に説得力がない。やはりヴィジュアルだけではない、折角女性差別問題を扱っているのならもう少し深く掘り下げても、それこそラスボスに女性蔑視の発言を言わせそれを打倒する物語にしてもよかったのではないだろうか?(人間蔑視ていう広域な内容ではなく)

「トレインスポッティング」が世界観を壊す

またユエン・ブレムナーというキャスティングがどうも乗り切れなかった。どう考えても、「トレインスポッティング」だよ!ユエン・ブレムナーはPTSDを抱えたアル中狙撃手役なのだが、どう考えてもスパッドだよ!面白いが不協和音だよ!確かに、美女戦士の前で君臨するへなちょこボーイとしては妥当かもしれないが、彼の演技がスパッドそのもの。しかも「ワンダーウーマン」の世界観にいるようなキャラクターかと訊かれたら、否と答えたい。違和感しかないのです。
とはいえ、DCがようやくマーベル映画と肩を並べられるほど面白い映画を作ってくれた。11/23(祝・木)に公開されるDC新作「ジャスティスリーグ」3時間もあるらしいが希望の光が見えてきたぞ!

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