ポチョムキン社製エリック・ロメールBOXが神過ぎた件

ポチョムキン社製エリック・ロメールBOXが神過ぎた件


貴方はポチョムキン社をご存知だろうか?

海外のハイセンスなDVDパッケージでカルト的人気を博している会社と言えばクライテリオンが有名ですが、フランスにも似たような会社がある。それがポチョムキン(POTEMKINE)社であります。

ポチョムキン社は2006年パリにできたDVDショップが原型となるDVDレーベルで、無価値な映画に無理やり貴重な特典をつけたり、ディレクターズカット版を発売したと思ったらアルティメット版を出すみたいなセコイ商売に反発し、観客の麻痺した視線を刺激する価値観を生み出すことをモットーとしています。そして、コレクター価値を生み出すためにアニエスベーとチームを組んで、ジャック・ロジエDVD-BOXなどを製作している。

ブンブンがこの会社と出会ったのは大学時代フランスに留学している時でした。日本に帰る直前にDVDショップを観ていたところ、《()》で女性の隠部を示す前衛すぎるデザインの『ニンフォマニアック ディレクターズカット版』DVDを見つけ一目惚れして購入したのがきっかけでした。既に別レーベルで買っていたのですが、それでもこれを買ってしまうほどの魔力がありました。

社会人になってからは、ジャック・ロジエのDVD-BOXや『女っ気なし』、『ハウス・ジャック・ビルト』のDVDやブルーレイを購入しました。正直紙パッケージという傷みやすい欠点は持っているのですが、クライテリオンに匹敵するほどの所有力を刺激するレーベルです。日本ではあまり知られていないのですが、個人的に好きで注目しています。

エリック・ロメールBOX買ってみた

そんなポチョムキン社からエリック・ロメールBOXが出ました。なんとエリック・ロメールの作品のほとんどが収録されており、日本でまともに集めようとすると5~10万円ぐらいするものがたった23,419円(英国Amazon落札時)で購入できるのです。これは実質タダと言えるでしょう。収録アイテムはご覧の通りです。

– 獅子座(Blu-ray + DVD)
– モンソーのパン屋の女の子(Blu-ray + DVD)
– シュザンヌの生き方(Blu-ray + DVD)
– コレクションする女(Blu-ray + DVD)
– モード家の一夜(Blu-ray + DVD)
– クレールの膝(Blu-ray + DVD)
– 愛の昼下がり(Blu-ray + DVD)
– O侯爵夫人(Blu-ray + DVD)
– 聖杯伝説(Blu-ray + DVD)
– 飛行士の妻(Blu-ray + DVD)
– 美しき結婚(Blu-ray + DVD)
– 海辺のポーリーヌ(Blu-ray + DVD)
– 満月の夜(Blu-ray + DVD)
– 緑の光線(Blu-ray + DVD)
– 友だちの恋人(Blu-ray + DVD)
– レネットとミラベル/四つの冒険(Blu-ray + DVD)
– 春のソナタ(Blu-ray + DVD)
– 冬物語(Blu-ray + DVD)
– 夏物語(Blu-ray + DVD)
– 恋の秋(Blu-ray + DVD)
– 木と市長と文化会館/または七つの偶然(Blu-ray + DVD)
– パリのランデブー(Blu-ray + DVD)
– グレースと公爵(DVD)
– 三重スパイ(DVD)
– 我が至上の愛〜アストレとセラドン〜(DVD)

【特典】
・ボーナスDVD:
– Courts-métrages(ショートフィルム)
– Archives INA et CNDP
Entretiens inédits avec les comédiens fétiches de Rohmer et ses proches collaborateurs
(ロメールお気に入りの俳優と彼の密接な協力者との未公開のインタビュー)
・Livret 100 pages(100ページのリーフレット)

・Pochette surprise(おまけ):
-『クレールの膝』ミニポスター
-ちっちゃいカード数種類
-『満月の夜』をモチーフにしたラベンダーサシェ×2

リージョン: DVD|2(Europe),ブルーレイ|B(Europe)
音声:フランス語
字幕:英語
編集:アニエス・ベーシネマ
製作:Potemkine Films
ディスク枚数: 30
製作国:フランス
シネマフォーマット:1.33
テレビフォーマット:4/3

アニエス・ベーが製作に携わっているので、各作品のパッケージが本気すぎて泣けてきます。手書き風イラストのお洒落な趣は、それを飾っているだけで心を豊かにさせる癒しの効果を持っています。個人的に『モード家の一夜』のパッケージがお気に入りです。ただ、気をつけないといけないのは、フランスDVDにありがちなクセのあるDVD収納となっており、慎重に取り外さないと直ぐに爪が折れてしまう仕様となっています。慌てず、爪を押すようにしてメディアを取り出す必要があります。

また、フランスのブルーレイは相性によりけりなのですが日本で再生できたりできなかったりします。通常はリージョンBなのでできない。エリック・ロメールBOXのブルーレイも案の定できませんでした。何故か同じポチョムキン社の『ハウス・ジャック・ビルト』のブルーレイは自宅再生できたので、家の環境によりけりです。Twitterの報告では『緑の光線』以外は再生できたなんて声も上がっています。

尚、DVDはPCで再生する分には問題ありませんでした。

100ページのリーフレットはカラーで各作品の紹介やエリック・ロメールのキャリアなどが掲載されており、これだけでも十分な価値があります。エリック・ロメール研究には必携のアイテムと言えます。

てっきり、Pochette surpriseってポシェットが付いてくるもんだと思っていたのですが、どうやら《おまけ》という意味だそうです。中身は『クレールの膝』のお洒落過ぎるミニポスターに、ちっちゃいカードが数枚、そしてラベンダーのサシェと思われるもの(一瞬紅茶かと思ったのですが、どうやら違うっぽい)が2袋入っていました。サシェから漂うラベンダーの香りが、ブンブンの部屋に充満し、女の子の部屋っぽくなりましたw

最後に…

ポチョムキン社に嵌ったブンブンはヴァカンス映画を中心に揃えていきたいなと思いました。現在のラインナップを観ると、ギョーム・ブラックの『宝島』あたりは欲しいなと思います。是非、クライテリオンに飽き足らない方、またフランス語を勉強している方は頭の片隅にポチョムキン社を覚えておいてください。きっといいことがあるはず!

英国AmazonでEric Rohmer Collection購入できます。

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