【ネタバレあり】『SHADOW/影武者』堅不可摧的傘/The unbreakable umbrellas

SHADOW/影武者(2018)
SHADOW

監督:チャン・イーモウ
出演:ダン・チョウ、スン・リー、Ryan Zheng、ワン・チエンユエンetc

評価:60点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

公開前から話題になっていた、チャン・イーモウの傘アクション映画。遂に日本でお披露目となるや否や、大草原不可避!という証言が次々とブンブンの耳に飛び込んできました。ってことでTOHOシネマズ新宿で観て来たぞ!この記事は、劇中で登場するギミックについて語っているのである意味ネタバレ記事です。お気をつけを。

『SHADOW/影武者』あらすじ


中国を代表する巨匠チャン・イーモウ監督が「HERO」「LOVERS」の主要スタッフと再び組み、「三国志」のエピソード「荊州争奪戦」を大胆にアレンジして描いた武侠アクション。戦国時代、沛(ペイ)国が敵の炎国に領土を奪われて20年の時が流れた。炎国との休戦同盟により平和な時間が続いていたが、若くしてトップの座を継いだ沛国の王は屈辱的な日々に甘んじていた。領土奪還を願う男たちを束ねる同国の重臣・都督は、敵の将軍で最強の戦士としても知られる楊蒼に、手合わせを申し込む。王は都督の勝手な行動に怒りをあらわにするが、王の前にいる都督は影武者だった。本物の都督は、影武者に対して自由と引き換えに敵地での大軍との戦いを命じていたが……。「戦場のレクイエム」「人魚姫」のダン・チャオが都督と影武者の2役を演じるほか、都督の妻役を私生活でも夫婦であるスン・リーが演じる。
映画.comより引用

堅不可摧的傘/The unbreakable umbrellas

若かれし頃、傘をウェポンだと思い込み振り回していた者はいませんか?

はい、私のことです。そんな私が、傘を振り回し戦うこの映画に惹かれない訳がありません。チャン・イーモウは、そんな傘をウェポンだと思っている民に最大級のおもてなしを用意する。物語なんかそっちのけです。真面目に作っていて、笑いどころなんかないはずなのに、ガバガバすぎるお話と、異様にカッコ良く見せるアクションが笑いのツボを刺激して来ます。

陽には陰の力を与えれば敵に勝てる、傘は水属性を持っているとスピリチュアルな解説をし始めたり、傘テクニックを教えてもらう為相合傘をしながら修行をしたりする。傘に棒が当たれば!観よ!これが壊れない傘《アンブレイカブル・アンブレラ》だとスローモーションで魅せつける癖に、決戦のために作り込んだナイフ・アンブレラは明らかに破損し、骨組みだけとなったビニール傘にしか見えない。

そして終盤は、四角い船がのっそりのっそりやって来て砦の親分と戦う間に、仲間たちが砦内に侵入するのだが、こことぞばかりに、傘を重ねて、その中に入りベイブレードのように坂を下っていくのだ。そして回転しながら、傘と傘の隙間から攻撃するのだが、当の傘は鋭利なナイフでできているので危なっかしくてヒヤヒヤする。そしてチャン・イーモウは丁寧にも、傘ベイブレードから落ちてそのまま臨終となる人をもしっかりと魅せていきます。どうかしている。

一方、四角い船の上で大将戦が繰り広げられるのだが、3回敵の攻撃を防いだら勝ちというあまりにも飲み込み辛い謎ルールで試合が展開する。勝っているのだか負けているのだかサッパリ分かりません。そしてどんでん返しを何重にも重ねて訳の分からぬ謀反で映画は終わる。

もはや影武者云々がどうでもよくなる話だし、ガバガバだ。でもなんだか許せてしまう。職人芸の暴走があまりにも美しくツボな作品でした。

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