【MUBI】『PLAY』リューベン・オストルンド監督が放つトンデモサスペンス

プレイ(2011)
PLAY

監督:リューベン・オストルンド
出演:アナス・アブディラーマン、セバスチャン・ブリケット、ヤニク・ディアキィテーetc

評価:85点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

長年観たかった『フレンチアルプスで起きたこと』、『ザ・スクエア 思いやりの聖域』リューベン・オストルンド監督の『プレイ』を観ることができました。

話は2015年1月まで遡る。当時、フランスに留学していたブンブン。留学先のアンジェで映画祭が開催されました。その年は、ベルトラン・ブリエ、アリーチェ・ロルヴァケル、そしてリューベン・オストルンドの特集が組まれていました。リューベン・オストルンド監督が、アンジェにやってきてQ&Aもあるということで張り切っていたのですが、前日に腐ったモヤシを食べてしまい、強烈な吐き気に見舞われ、地を這っても家から出られなくなり泣く泣く諦めた作品がこの『プレイ』でした。ようやく鑑賞した本作は、期待以上の傑作であり、ミヒャエル・ハネケもびっくりな鬼畜映画でした。

『プレイ』あらすじ


黒人グループが白人の少年たちの携帯電話を取り上げ、難癖を付け始める。それは、彼らにとってのゲームの始まりだった…。2000年半ばに実際に起きた連続恐喝事件をもとに、移民問題と大人の無関心を描いた衝撃作。
※スウェーデン映画祭公式より引用

ミヒャエル・ハネケも驚愕!鬼畜過ぎるサスペンス

ショッピングモールをカメラが、盗撮するかのように白人少年を捉える。そして、カメラはパンし、黒人少年のグループに向けられる。彼らは何やら作戦を練っているようだ。そして、白人少年を恐喝し始める。周りの大人は見て見ぬ振り。そして、白人少年は執拗にこの黒人少年グループに追跡されるという内容。

スウェーデンといえば、2018年度の幸福度ランキングで9位(日本は54位)に輝いた国。福祉国家で優しいというイメージが強いのですが、リューベン・オストルンド監督は毎回「否」と答える。

不寛容で他者を気にしない国・日本に住むブンブンですら驚愕するスウェーデンの冷たさを2時間チクチクと刺してくるテイストに、心が張り裂けそうになります。

例えば、白人少年がカフェに逃げ込み、店員に事情を話すシーン。警察を呼んでくださいと懇願するのだが、店のマネージャーが出てきて、「警察は呼べない。まだ事件は起きていないのだから。」と門前払いするのだ。

また、この最凶な黒人少年グループを叱る大人が出てくるのだが、事情を知らぬ女性が「あんたやめなさいよ」と言って、大人同士の罵り合いに発展してしまう。

一連の流れを知るのはカメラのみ、そしてそのカメラからの景色を享受する我々のみ。物事の一部分だけ切り取って見えるものまで使用し、徹底的に白人少年の心を破壊していくスタイルは『ファニーゲーム』を凌駕するといっても過言ではない。

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