『ホテル・ムンバイ』貴方はこのホテルから逃げられるか?

ホテル・ムンバイ(2018)
Hotel Mumbai

監督:アンソニー・マラス
出演:デヴ・パテル、アーミー・ハマー、ナザニン・ボニアディ、ティルダ・コブハム=ハーベイ、アヌパム・カーetc

評価:60点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

9/27(金)よりTOHOシネマズ 日比谷でデヴ・パテル出演作品『ホテル・ムンバイ』が公開されます。2008年にムンバイで発生した同時多発テロを描いた実話ものです。一足早く鑑賞したので感想を書いていきます。

『ホテル・ムンバイ』あらすじ


2008年11⽉26⽇。インドの五つ星ホテルがテロリストに占拠される。⼈質は、500⼈の宿泊客と従業員。特殊部隊の到着は数⽇後。宿泊客を逃がすため、ホテルに残った従業員たち。部屋に取り残された⾚ん坊を救うため、銃弾の中を⾏く⽗と⺟。これは「誇り」と「愛」を懸けた、3⽇間の脱出劇。極限の状況下で、⼈はこんなにも⼈を想えるのか―。
※Filmarksより引用

貴方はこのホテルから逃げられるか?

映画というメディアにおいて凄惨な事件を描くとはどういうことなのか?

今年ぶっちぎりワースト1を独走している『ウトヤ島、7月22日』は、ワンカットでノルウェー・ウトヤ島で発生した大虐殺を描いているのだが、被害者の証言を混ぜてフィクションにしている割には、リアリズムを追求しすぎて退屈極まりない作品であった。被害者に配慮しているという隠れ蓑を盾に批判を回避している姿勢に胸糞悪さを感じました。凄惨な事件を映画化するに当たって、当事者への配慮をどこまでするのかというところに最近興味を抱いています。

「Based on a true story.」と冒頭で提示する映画は信用できないという人をたまに見かけますが、ブンブンも割とそっち系の人です。実話を映画にした瞬間、それは虚構であるのは明確なのに、何故提示するのか?免罪符として「Based on a true story.」を使っていないか?と疑問を抱くわけです。我々は再現VTRを観たいのではありません。それだったらドキュメンタリーでやればいいこと。なので、実話モノにも映画的ドラマやアクションを求めてしまいます。

そう考えた際、本作は非常に凄惨な事件に対する黙祷とアクションのバランスが取れた良作であった。

冒頭、テロリストがトイレに入り大きな銃を装備する。そして颯爽とトイレを出て行く。小銭取りのおばちゃんは、彼らのことを見ていない。目の前に超絶危険な人物がいるにも関わらず。そして、観客の死角で銃撃戦が始まり、ゾワっとさせられる。この時点で、アクションに力を入れていることがよく分かります。

舞台はムンバイのテロ事件ではありますが、2015年にパリで起きた同時多発テロのおぞましさをも引き継いだ無慈悲でドライな殺戮が次々と展開されます。観光客がレストランの中を歩いているといきなり人が頭をぶち抜かれて倒れる。人というのは、目の前で非現実的過ぎる出来事が起きると頭が真っ白になるもの。呆然と立ち尽くす彼らの前にコロンコロンと黒い何某が転がってくる。そしてようやく、「逃げろ!」と叫ぶのだが、時すでに遅し、レストランは爆破されてしまう。

そしてようやく舞台はホテルへとシフトする。ホテルにテロリストがやってくるのだ。グランドホテルスタイルでホテルを逃げ惑う人々が映し出される。赤ちゃんを抱える母親は、泣き叫ぶ赤ちゃんに怯える。赤ちゃんは手放すわけにもいかない。しかし、このままじゃ確実に殺されてしまう。ある者は、テロリストの目線を掻い潜ってエレベーターを目指す。この映画は無慈悲で、呆気なくホテルマンも警官も、観光客も死んでいく。ジョン・マクレーンのような人が助けてくれるわけじゃない。そんな絶望下で、唐突にテロリストの人間味が滲み出てくる。徐にホテルのピザを物色し、「おい、お前食べてみろよ。とっても美味いぞ」と相方とじゃれ合うのだ。

観るものはこの不意打ちにゾワっと恐怖がさらに増幅されることでしょう。

地獄のような2時間、貴方は耐えられるであろうか?

9/27(金)注目の作品ですよ。

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