『アラジン』ジャファーのやっていることってネズミ帝国そのものだよね

アラジン(2019)
Aladdin

監督:ガイ・リッチー
出演:ウィル・スミス、メナ・マスード、ナオミ・スコット、マーワン・ケンザリ、ナビド・ネガーバンetc

評価:55点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

先日、ようやく青いウィル・スミスことジーニーを謁見してきました。アニメ版『アラジン』は思い入れのある作品の一つで、高校時代、英語の授業の課題曲で『A whole new world』を覚えた記憶があります。ロマンチストな英語の先生が、生ぬるい曲ばかり選ぶので「ストーンズとかフーとか、ジミヘンとかやってよ!」と辟易していたのですが、この曲とエアロ・スミス『I Don’t Wanna Miss a Thing』は心に刺さりました。『アラジン』に関しては曲きっかけで鑑賞し、山寺宏一の超絶技巧な歌捌きに興奮しました。

『アラジン』あらすじ


「アラビアン・ナイト」の物語をベースに、不思議なランプを手に入れた若者が愛する女性を守るため繰り広げる冒険を描いたディズニー・アニメの名作を、「シャーロック・ホームズ」シリーズのガイ・リッチー監督のメガホンでディズニーが実写映画。生きるために盗みを働きながらも真っ直ぐな心を持ち、人生を変えるチャンスをつかもうとしている青年アラジンと、自立した心と強い好奇心を抱き、自由に憧れる王女ジャスミン。2人の運命的な出会いをきっかけに、それぞれの願いは動き始める。そしてアラジンは、邪悪な大臣ジャファーの甘い誘いに乗り、魔法の洞窟からランプを引き受けるが……。魔法のランプから登場するランプの魔人ジーニーをウィル・スミスが演じる。アニメ版でアカデミー主題歌賞を受賞したアラン・メンケン作曲、ティム・ライス作詞の「ホール・ニュー・ワールド」などおなじみの楽曲も流れるほか、「ラ・ラ・ランド」「グレイテスト・ショーマン」のベンジ・パセック&ジャスティン・ポールが手がけた新曲も物語を彩る。
映画.comより引用

ウィル・スミスVS山ちゃん実存を巡る戦い

本作は何と言っても1にジーニー、2にジーニー、3にジーニーな作品だ。青くなっても、ウィル・スミス度120%のジーニー、しかし吹き替え版で観ると「僕だよ山寺宏一だよ!」とみんな大好きな山ちゃんの声が響き渡る。この世界にはジーニーという人格はない。空っぽだ。ジーニーという実存をウィル・スミスと山寺宏一が取り合って、どちらが人格を奪い去るのかという相撲に抱腹絶倒だ。この戦争がメインにあるので、アラジンがコソ泥で、ジャスミンに恋をしているとか、スラムのガキから王になれ!?と野心が暴走しているジャファーがどうこうとか、ジーニーを前に灰と化しているのだ。これは楽しい映画だし、エンタメ映画として素敵ではあるものの、全ての物語を無にしてしまうジーニー描写はやりすぎだと感じました。

ジャファーはディズニー帝国そのもの

本作特記すべきところはジャファーにあります。国を滅ぼすヴィランであるジャファーは今のネズミ帝国そのものを表していました。2位じゃだめなんです。と欲望と野望による闇によって帝国を作ろうとするジャファーは自ら手を下さず、下っ端に宝を取ってきてもらうのだが、これって今のネズミ帝国の映画製作そのものではないだろうか?若手監督を捨て駒のように大人気大作を任せ、失敗したら業界から追放し、成功したら莫大な利益としてせしめる強欲さ。

自分で投げたナイフがそのまま自分の胸に刺さっていますが、大丈夫かい?と思いたくなります。未見ではありますが、実写版『ダンボ』で描かれている悪も、企業買収&大量リストラとネズミ帝国が21世紀FOXを買収してリストラ敢行したことをそのまま描いているようです。

まあ青いウィル・スミスと山ちゃんが楽しませてくれるので楽しい作品ではあるが、ポリコレに雁字搦めになったディズニー最近迷走しているのではと思わずには要られませんでした。

P.S.ソ連には赤いジーニーがいるらしいぞ。
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