【カンヌ国際映画祭特集】『追憶の森』世界では酷評されたが…面白いぞ!

追憶の森(2015)
THE SEA OF TREES(2015)

監督:ガス・ヴァン・サント
出演:マシュー・マコノヒー、渡辺謙、ナオミ・ワッツetc

評価:70点

毎年、カンヌ国際映画祭では、批評家暴動レベルに酷評される作品がある。2018年は、Eva Hussonの『バハールの涙』が大惨事となった。また、かつてショーン・ペンも『The Last Face』で酷評の嵐に見舞われた。意外と巨匠でも酷評される時があるのだ。そんな酷評映画の一つに『追憶の森』がある。あの『エレファント』でパルムドールを獲ったガス・ヴァン・サントの作品だ。青木ヶ原を舞台に描くミステリーとのことで大注目作だったのだが、思わぬ事態となってしまった。ブンブン、その評判故に公開当時は鑑賞しなかったのだが、今回観てみた。そしたら…

『追憶の森』あらすじ

人生に絶望した男アーサーは、自ら命を絶つため、青木ヶ原の樹海にやってきた。そしたら森の奥から傷だらけの男タクミが現れる。彼も自殺をしようとしたのだそうだ。彼は自殺を諦め、出口を探していた。アーサーはタクミとの対話を通じて人生を見つめ直す…

完全日本人向け映画

カンヌ国際映画祭でボロクソに叩かれたガス・ヴァン・サント映画。観てみたら、面白いではありませんか。青木ヶ原で自殺しようとした男ミーツ渡辺謙な話。確かに、何故青木ヶ原?と思うし、男の回想の挿入は上手くはない。しかし、劇中で渡辺謙が「青木ヶ原はおたくの国の《煉獄》」だと語っている通り、青木ヶ原という煉獄を彷徨いながら救われていく話となっており、これが上手い。科学者で神を信じぬ男。彼に強烈な災難が巻き起こる。神を信じぬ男は、毒を棄てる場所がない。だから、青木ヶ原に導かれる。そして、渡辺謙扮する霊に近い存在との対話を通じて、己を救済していく。下手な『第七の封印』と切り捨てればそれまでだが、外国人監督がここまで日本の信仰を洞察し、そこから現代人が抱えるパラノイアの救済を提示しているのは評価に値する。

無論、宗教をトリッキーに扱っている為酷評はやむ得ない。しかし、日本人にはきっと心に刺さる作品でしょう。

ブロトピ:映画ブログ更新

ブロトピ:映画ブログの更新をブロトピしましょう!

1 個のコメント

  • dalichoko へ返信する コメントをキャンセル

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です