【『キャプテン・マーベル』公開記念】監督過去作『ハーフネルソン』を観てみた

ハーフネルソン(2006)
Half Nelson

監督:ライアン・フレック
出演:ライアン・ゴズリング、シャリーカ・エップス、ステファニー・バスト、セバスチャン・ソッツィetc

評価:65点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

キャプテン・マーベル』の監督であるアンナ・ボーデン、アンナ・ボーデンがライアン・ゴズリング主演で映画を撮り、アカデミー賞主演男優賞ノミネートされた作品『ハーフネルソン』を観ました。本作は、『ブルーバレンタイン』『ドライヴ』でライアン・ゴズリングが日本に認知するまで視聴困難であり、10年以上経った2017年に日本公開された不遇の作品であります。しかしながら、なかなか見応えのある作品だったので、今日はライトに紹介していきます。

『ハーフネルソン』あらすじ


ライアン・ゴズリングが心に闇を抱える歴史教師役を繊細に演じ、第79回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた人間ドラマ。ニューヨーク、ブルックリンの中学校で歴史を教えている教師ダンは、型破りな授業で生徒たちから人気を集めている。しかし私生活では、ドラッグ中毒から抜け出せず苦悩する日々を送っていた。ある日、ダンはドラッグを使用しているところを教え子の少女ドレイに見られてしまう。それ以来、ダンとドレイの間には不思議な友情が芽生えはじめる。共演に「愛する人」のシャリーカ・エップス、「キャプテン・アメリカ」シリーズのアンソニー・マッキー。監督は「ワイルド・ギャンブル」のライアン・フレック。「彩プロ30周年記念特集上映」(新宿K’s cinema)にて日本初上映。
映画.comより引用

ピエール瀧の残像がチラつく

ピエール瀧がコカイン使用の疑いで先日逮捕されました。どうやら、以前からコカインを使用していたとのことですが、『ハーフネルソン』はそんなピエール瀧の残像がチラつく作品となっています。人気の歴史教師ダンは、やる気のなさそうな立ち振る舞いから、先生仲間からは疎まれている。しかしながら、生徒からの支持率は高い。そんなダンには秘密がある。それは麻薬中毒だということ。先生に生徒にバレないように振舞いつつも、禁断症状が出てくると一刻も身体にドラッグを入れないとまともに歩くことすらできないのだ。そんな教師のハラハラドキドキライフをライアン・ゴズリングが好演している。中毒特有の、無気力脱力な身体性をオーラレベルにまで落とし込んでいるから、まるでライアン・ゴズリングが本当のジャンキーに見える。

そんな彼はトイレでついに倒れ、それを助けに来た女子生徒にドラッグの存在がバレてしまうのだ。そこから友情は芽生える。少女は、彼の秘密を守ってくれるのだ。そしてその少女の家庭が凄惨なことを知ったダンは、麻薬を断ち彼女を救おうとしようとする。正直ダンはクズだし、麻薬を断とうしている割には全く中毒から脱出できていない。しかし、心が弱い人ってそんなもんだ。中毒を抜け出すのはそうそう簡単なことではない。でも、ちょっとでも生徒を救おうと、頑張るダンの姿には心が熱くなる。そして、ホッコリする着地点に胸が踊らされるのだ。

確かに演出には癖があり、ダンの授業とシンクロしてハーヴェイ・ミルクの歴史映像等が交差してくる前衛的な手法がとられている。映画の展開も一見すると地味なので、日本公開が10年以上かかったのもやむ得ないと感じた。ただ、これは観る価値のある秀作でありました。本作のモデルとなった短編映画『Gowanus, Brooklyn』も観てみたくなりました。


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