【釜山国際映画祭】『HIGH LIFE』クレール・ドゥニ、70歳にして官能SF映画を撮る

HIGH LIFE(2018)

監督:クレール・ドゥニ
出演:ロバート・パティンソン、ジュリエット・ビノシュetc

評価:60点

昨年、新文芸坐で開催されたクレール・ドゥニ特集の映画評論家・大寺眞輔講義

で、「彼女の次回作はSFです。」と聞き楽しみにしていた。クレール・ドゥニといえば、昨年東京国際映画祭で『レット・ザ・サンシャイン・イン

』というトンデモナイ大傑作が上映されていただけに、今年もTIFFJPで観られるかと思っていたのだが、残念ながら来ませんでした。彼女の作品はまともに日本公開された試しがなく、アンスティチュ・フランセが拾ってくるのを待つしかない。それは嫌だったので、釜山国際映画祭で観てきました。本作は彼女の作品にしては、SFだし、ロバート・パティンソンにジュリエット・ビノシュと豪華キャストだ。トロント国際映画祭でも上映され、批評家からも高い評価を受けている。にも関わらず、全く予告編がネット上に転がっていない。宇宙囚人の話だとか、エロい映画だとか変な噂が流れてくるだけだ。そんな作品を台風の釜山、地を這うように映画館へ向かいブンブンは、目撃してきました。

『HIGH LIFE』あらすじ

宇宙囚人たちは刑務所に入らない代わりにブラックホールを調査するミッションに就いていた。閉鎖的な宇宙船、危険な任務、そして謎の自慰マシーン、これらが宇宙囚人たちを狂わせていく…

宇宙版『SEX発電』だった!

いきなり宇宙飛行士が密室に隔離されている赤子をあやしながら宇宙空間で作業する観たこともないようなシーンから始まる。そして、ロバート・パティンソン扮するその宇宙飛行士の孤独なイクメンライフがじっくり描かれる。しかし、突如、彼は冷凍された人間たちを宇宙に棄てる。何故彼は、人間を棄てたのか?赤子の正体はなんなのかが紐解かれていくある種のミステリーとなっている。

そして、一つの謎に向かって物語は収斂していく。『惑星ソラリス』や『2010年』『サイレント・ランニング』に近いクラシカルなタッチで。

しかし、予期せぬ風景が我々観客に降りかかる。それは、この宇宙船が囚人たちを入れる刑務所になっており、囚人たちは刑務所に入らない代わりにブラックホールの研究をさせられている。そんな宇宙囚人の前に突如現れる《LOVE MACHINE》。エロいエロい自慰器具にジュリエット・ビノシュがまたがり、エネルギーを生み出す様子が延々と映し出される。そう、これは宇宙版『SEX発電』だったのだ。

『SEX発電』は、火力、水力?古い古い!原発?ダセェ!今の時代SEX発電だ!と言わんばかりに、如何にしてSEXから持続可能なエネルギーを抽出するのかを真面目に考えたバカ官能映画の金字塔だ。本作は、難解で思わせぶりな演出に隠れているが、正直やっていることは『SEX発電』と同じだ。チェコ・プラハにあるSEX MACHINE MUSEUM

に置いてあってもおかしくない、エネルギー採取マシーンを使って、ジュリエット・ビノシュからパワーを抽出する。そしてマシーンの外には、白い海が出来上がっている。クレール・ドゥニよ70歳になってギラギラしすぎだ。ホドロフスキー顔負けのエロ描写に衝撃を受けた。

こう聞くと面白そうに見えるが、アマト・エスカランテの『触手

』に近い飲み込み辛さと難解さが睡魔となって襲いかかります。

宇宙空間は、地球における刑務所や植民地、心理的世界などといった閉鎖空間を普遍化させる機能がある。抑圧された中で、暴走する本能をクレール・ドゥニが描いたように見えるが、それではあまりにも陳腐すぎる。かといってクラシカルな演出に拘っているように見えて、いきなり『インターステラー』を始める。確かに、『インターステラー』はレトロな撮影に拘った作品だが、彼女はよりによって最もレトロという言葉からかけ離れたシーンを引用しているのだ。もはやオマージュとは言い難く、パクリにしか見えない。

結局、本作はクレール・ドゥニの気まぐれ徒然なるままに作った、難解に見えるが陳腐で退屈な映画であった。ただ、かなり彼女のメッセージを見逃してしまっている感が否めないので、ここは大寺さんの解説を聞きたくなりました。まあ日本公開は今回も無理だろう、、、

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