『タリーと私の秘密の時間』ジェイソン・ライトマン先生による男の家庭科

タリーと私の秘密の時間(2018)
Tully(2018)

監督:ジェイソン・ライトマン
出演:シャーリーズ・セロン、マッケンジー・デイビス、
マーク・デュプラスetc

評価:70点

ジェイソン・ライトマンはほどほどに70点位の作品を作ってくれる。毎回、大暴投もなければ、ホームランもない。ただ安心して一定の面白さと変わったアプローチの問題提起がある。前作の『ステイ・コネクテッド

』がビデオスルーだったが故に、今回もビデオスルーかと思ったら無事公開されました。

『タリーと私の秘密の時間』あらすじ

ひとに頼らず、2人の子どもを育ててきた主婦マーロは3人目の子育てに励むが、あまりの激務についに倒れる。そして、ナイト・シッターを雇うことにする。やってきたのは26歳のギャル・タリー。最初は戸惑うものの、彼女と接するうちに身体の生傷が癒えていく…

ジェイソン・ライトマン先生による男の家庭科

本作は、育児の大変さを描いた作品だが、ドキュメンタリーかよ!と思う程等身大の母親の苦悩が描かれている。知ったつもりになっていた育児の知られざるハードさを全編に渡って学べるので、男は必修科目として観た方が良い。なんなら、学校の授業で魅せた方が良い。

2人の子どもを育てるマーロは三人目の子どもを産む。子育ては慣れている。ベビーシッターなんて雇わずともなんとかなると思っていた彼女だが、息子が学校の先生に障がいだと疑われ、退学させられそうになったり、夫は全然育児に関わってくれなかったりしてドンドン疲弊していく。そして、ようやく雇った弱冠26歳のギャルシッターによって少しずつ身体の生傷が癒えていくという内容。

育児はハードだと聞くが、本作を観ると自分の認識が甘いことに気づく。ジェイソン・ライトマンは、育児のダークなところをひたすらに切り抜く。

育児に疲弊して、健康的に悪いカフェインを摂ったり、酒も飲む、さらにはエッチなテレビ番組も赤ちゃんのいる前で観る。子育てにこれらは悪い。しかし、溜まりに溜まったストレスを夫は癒してくれない。だから、思わずやってしまう。この視点を切り取った子育て映画って意外とない。また、テレビでもあまり放送されないダークな部分だ。その視点にひきこまれた。夫がクソ過ぎて男は、本作を反面教師にしたくなることでしょう。

ズタボロで、肉体的生々しさに包まれたこの怪作必見です。

P.S.ただ、実際に子育て経験のある映画仲間に話を聞いたら、あのダメダメ夫にも共感できるとのこと。確かに、子どもを持っていると、家事や子育てよりも仕事をしていた方が楽という話を聞く。

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