RBG 最強の85才(2018)
監督:ベッツィ・ウェスト、ジュリー・コーエン
評価:70点
もう2018年も下半期大分駆け抜けてきました。この時期になってくると、来年のアカデミー賞に向けて、チラホラと賞レース作品が出てくる。実は、長編ドキュメンタリー部門は既に熾烈な前哨戦が始まっていた!一つは、『Won’t You Be My Neighbor?』。『バックコーラスの歌姫たち』で同賞を受賞したモーガン・ネヴィルが教育番組”Mister Rogers’ Neighborhood”のプロデューサー:Fred Rogersの軌跡を追ったドキュメンタリーだ。二つ目は、『RBG』だ。夏休みシーズンにも関わらず、1,380万ドルものヒットを飛ばし、『Won’t You Be My Neighbor?』(2,210万ドル)には興行収入では負けているもののアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞ノミネート確実と言われている。米国最高裁判所女性判事で今やアメリカのポップアイコンとなっているルース・ギンズバーグのドキュメンタリー。何故か、Air Canadaで配信されていたので観てみました。
※本作は第91回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞/歌曲賞(“I’ll Fight”)にノミネートされました。
『RBG 最強の85才』概要
1993年にビル・クリントン大統領にアメリカ合衆国最高裁判所判事の任命を受けたルース・ギンズバーグ。今や、ドナルド・トランプ非難で、リベラル派のアイコン的存在となった彼女。彼女はいかにして最高裁判所判事になったのだろうか?その遍歴を追う。ルース・ギンズバーグ入門書
RBGとは、ルース・ベイダー・ギンズバーグというアメリカ合衆国最高裁判所3人の女性判事の一人だ。彼女はアメリカではポップアイコンとしてコラ写真が作られたり、グッズが販売されてたりする程の知名度で、ドナルド・トランプが大統領戦に出馬した際にはリベラル派代表として激しく彼をバッシングした。本作は彼女の軌跡を辿るドキュメンタリーであり、ギンズバーグのことを知らない私でも彼女のことがよく分かる入門書映画となっている。
そんなRBGの、最高裁判事就任時の立ち位置は、若干リベラル寄りの中立の立場だった。しかしながら、段々とリベラル派の色が強くなった。それは、最高裁判事として仕事していくなかで、男と激しく議論する必要があり、改めて女性の立場の低さを痛感したからだ。本作は、ドキュメンタリーとしてはオーソドックス王道のキャリアものなので、アカデミー賞長編ドキュメンタリーを獲るとなると微妙な作品なのだが、今アメリカが必要としている作品であることはよく分かった。
法学部の学生にオススメしたい作品でした。
日本公開は2019/05/10(金)です。
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