【ブンブンシネマランキング2017】旧作洋画部門第1位は『早春』童貞映画の大傑作

2017年ブンブン映画ベストテン
(旧作洋画編)

今年の旧作洋画部門は、アフリカ映画に力を入れました。アフリカ映画は日本や欧米では決して撮ることの出来ないエキゾチックな空間と宗教の坩堝の中から普遍的なものが紡ぎ出されていく感覚が好きで飽きずに楽しむことが出来ました。また監督でいうならマノエル・ド・オリヴェイラとクレール・ドゥニの作品を結構観ることができました。社会人になり、お小遣いが増えたので結構レアな作品と触れ合うことが出来、充実した旧作洋画ライフを送れたと思います。それではそんなブンブンのベストテンを見てみましょう!

※青下線をクリックすると各作品のレビューが観られます。

10.見出された時-「失われた時を求めて」-(1999)
LE TEMPS RETROUVÉ(1999)

鑑賞環境:VHS
監督:ラウル・ルイス

マルセル・プルーストの超超超大作を見事に2時間にまとめ上げたラウル・ルイス監督に脱帽。プルーストの死に際をハブとし、SMプレイに陥るシャルリュス男爵、シャルリュス男爵とのゲイゲイ情事に巻き込まれるプルースト、少年の目から見た社交界のデカダンスetc私の好きな場面を、本作は余すことなく魅せてくれる。本作を観て感じたことだが、映画オフ会事情とプルーストの生きた時代の社交界事情が非常に似ていることもあり、まさに私の大切な一本になりました。ブルーレイをどこか出してください!

9.オクラを買いに行かせたら(2013)
GONE TOO FAR!(2013)

鑑賞環境:Netflix
監督:Destiny Ekaragha

来年、日本公開が決まった『ビッグ・シック

』より二世として生きる者のアイデンティティについて深く描けていたナイジェリア映画。イギリスを舞台に、アフリカのいろんなところからやってきた移民の子供達が「俺の方が、私の方がよりイギリス人だ」とけなし合うあたりや、祖国の文化の塊である親や親戚に嫌な顔をするあたりに心が射貫かれた。なかなか普段生活していると、移民は移民としか捉えていないのだが、移民の中にも親や他の移民に対する差別の心を持っているんだということを知った貴重な作品だ。Netflixにて配信中。

8.フープ・ドリームス(1994)
HOOP DREAMS(1994)

鑑賞環境:Netflix
監督:スティーヴ・ジェームズ

バスケ嫌いな私でも、プロを目指すスラムのガキ達に涙せずに観ることはできなかった。スラムからスカウトされた二人の黒人が、バスケの名門校に入る。日本だと、この手の花形部活に入ると女の子にモテモテだが、彼らは勉強も頑張らなければ奨学金が打ち切られ学校を去る羽目になってしまう。しかも、周りは生半可な努力じゃ超えられない天才しかいない。この地獄のような10年間を観ていると、私は自分の高校時代を思い返し、どこか切なくなった。とにかく、心にがつんときたドキュメンタリーだった。

7.荒野の千鳥足(1971)
WAKE IN FRIGHT(1971)

鑑賞環境:新宿ピカデリー
監督:テッド・コッチェフ

暗闇はほとんど出てこない、怖い人は出てこない、ってか皆優しい、そして夏映画に見えてクリスマス映画なこの珍作に私はノックアウトされた。まず、この映画は冒頭1分で傑作だと分かる。熱そうな荒野にポツンとある学校で、先生は何かを待つように貧乏揺すりをする。そして時間が来ると、生徒は一斉に去り、先生も一目散に学校を、家を去る。そう嫌な職場から脱出してバカンスだ!というのがこのシークエンスで分かる。そっから起こる、優しき歓待に背筋が凍る。星新一好きにはたまらない(?)作品だ。

6.XALA(1974)

鑑賞環境:某動画サイト
監督:センベーヌ・ウスマン

今年はアフリカ映画強化年だったので、ブルキナファソのイドリッサ・ウエドラオゴ、マリのスレイマン・シセ等の作品を観た。そんな中、セネガルの巨匠センベーヌ・ウスマンが撮った『XALA』がとてつもなく面白かった。残念ながら日本未DVD化且つ、輸入でも入手困難だったので、ナントカチューブでフランス語字幕鑑賞しました。

悪徳政治家が、女の呪いでアソコが勃たなくなったことから、金も女も地位も失っていく様子を、「アババーーー」という謎の慟哭ミュージックと共にブラックな笑いで包む。宗教なぞ信じない悪徳政治家が呪術に救いを求めるシーン。そして、ビックリするラストは圧巻!

だれかブルーレイ化してくれーーーーー!
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