白夜と郵便配達(2014)
Belye nochi pochtalona
Alekseya Tryapitsyna(2014)
監督:アンドレイ・コンチャロフスキー
出演:アレクセイ・トリャピツィン,
イリーナ・エルモロバetc
評価:55点
北欧旅行の飛行機内で観た作品。
フィンエアーは本当にラインナップが
充実しており、
コンチャロフスキーの
こんなアート映画までおいてあるのだ!
ってわけでいってみましょう!
「白夜と郵便配達」あらすじ
ロシア北西部に位置するケノゼロ湖は隔離された地域。
過疎化が著しく進み、
もはやほとんど人がいない場所だ。
主人公の郵便配達人は、
そんなケノゼロ湖から毎日
ボートで出勤する。
そんな彼の郵便配達ライフが
静かに綴られる…
静かだが、濃い挿話の数々
コンチャロフスキーの「或る人々
」の
ある種リメイク的な話だ。
あれは、過疎化が進む沼に住む人々を
ジャーナリスト目線で追った作品だが、
本作は僻地の人々目線で描いている。
そして、ドキュメンタリータッチで
淡々と進む本作だが、これがなかなか
面白い。
郵便配達がお届けに行くと、
おばちゃんが自慰に励んでいて
気まずくなったり、
密漁疑惑の漁師たちの喧嘩を
止めに入ったり、
少年の子守をしたりと、
本当に郵便配達人のすること?
と思うほど多岐にわたる仕事をする。
また舞台はソ連時代なのか、
パンの配給をしたりする。
ストーリーとしては
非常にシンプルで、
メッセージがあるようには
見えないのだが、
日本にいると全く観られない
ような「世界」が本作で
観ることができる。
「父、帰る」みたい
本作で最大の見せ場が、
厳しい母親の子どもの
子守をする場面。
郵便配達人は独身だけに、
子どもの扱いは下手っぴだが、
頑張って親睦を深めようと、
森にボートで連れて行ったり、
釣った魚を焼いて一緒に
食べたりする。
年齢によるジェネレーション
ギャップこそあれど、
なんとかしてコミュニケーションを
図ろうとする郵便配達人の
姿がこれまた健気だ。
でも、プチ遠足から帰ると、
少年の母親が
「どこほっつき歩いていたの(怒」
とガンギレ!
郵便配達人は可愛そうだと
思いつつも仕方なしに
家に帰すところの
切なさの表現はなかなかのもの。
描いた作品と言えば、
アンドレイ・ズギャビンツェフの
「父、帰る
」を思わせるところが
あった。
2年前の東京国際映画祭で
上映されたっきりなのだが、
もし、機会があれば
是非挑戦してみて下さい(*^_^*)
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