2016年ブンブン映画ベストテン(新作邦画編) 1位は「何者」

6.オーバー・フェンス(2016)

鑑賞環境:テアトル新宿

佐藤泰志映画化作品の中で、
一番函館の街を映している、
小説らしさと映画らしさの
狭間をしっかり描いている。

蒼井優扮する謎の女と
オダギリジョー扮する
人生をテキトーに
過ごす男との
台詞では語られない
微妙な心の揺らぎ、
そして職業訓練学校の
やさぐれた雰囲気に
ブンブンは魅了された。

そして、何よりも
オダギリジョー扮する
男から漂う田舎や底辺を
見下したような
気持ちの表れが
本当によく描けていた。

7.映画 聲の形(2016)

鑑賞環境:TOHOシネマズ渋谷

「君の名は。」を観に行った際、
予告編で惹かれ、
大今良時の原作を買って読んだら、
「これっつ映画化無理じゃね?」
と思った。

というのも、1巻が韓国映画
「トガニ」を思わせるほど
凄惨で魂をえぐる話だったのだ。

転校してきた聾唖者を、
クラス単位でいじめる陰惨さ、
そして、いざいじめ問題が
大事になると先生や
クラスは一人生け贄を選び
そいつを苛める。

そしてそれが皆の永遠の
トラウマになる。
よっぽど心が綺麗な人で
なければ誰しもが感じる
本音を一切隠さずに
描くこのアニメのチャレンジ
精神。

そして、冒頭からThe Whoの
「My Generation」を使う
チャレンジ精神。

とにかく、この精神に
惚れ惚れした。

8.風に濡れた女(2016)

鑑賞環境:新宿武蔵野館

ロマンポルノリブートプロジェクト
らしい、ロマンポルノを見事に
脱構築して魅せた傑作。

ロマンポルノにおいて、
愛や性欲を演じるとは?
をメタ的に演出し、
男と女の肉欲の
ぶつかり合いを
シャープに
ユーモラスに描いている。

そして、ロマンポルノとしては
異常な程に伏線を張り巡らせ、
しっかり回収していく
プロセスがまた斬新で
ブンブンの心を鷲掴みにした。

9.無垢の祈り(2016)

鑑賞環境:アップリンク

国際映画祭に出品するものの、
児童ポルノ的表現でことごとく
跳ね返されたことも知らずに
出品し続けた亀井亨監督の
「無垢の祈り」は児童虐待
の実態に徹底的に迫った
傑作だ。

「少女ムシェット」を
思わせる学校にも家にも
居場所のない少女。

あまりにも凄惨な
虐待シーンと
重々しい音楽の使い方、
何よりもBBゴローが
立っているだけで怖い。

ファンタジーなのに、
リアル、これぞ現代の
「少女ムシェット」だ。

10.映画 遊戯王
THE DARKSIDE OF DIMENTIONS(2016)

鑑賞環境:TOHOシネマズ西新井

元デュエリストとして、
ここまで遊戯王愛み満ちあふれた
本作をベストテンに入れないなんて
あり得ない。

原作同様、ぶっ飛んだテイストがそのまま
反映されている。
デュエルディスクを所持していないと
住民登録が出来ない世界観、
デュエルディスクを使わずに
地面からカードをドローし、
気力で攻撃力を決められる
ぶっ飛んだ設定には
涙が出るほど爆笑した。

またあんなに弱々しい武藤遊戯が
アテムなに世界で立派に
オトナになっているその
立ち姿に涙。

さらに海馬瀬人のアテムに対する
物語は「華麗なるギャッツビー」を
思わせる文学的、詩的な内容に
なっていて
もう号泣魂が揺さぶられた!

滅びのバーーーーストストリーーム
を受けたような傑作であった。

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