第33回東京国際映画祭

2021映画

【東京国際映画祭】『ある詩人』広大な文学の地が失われる轍※ネタバレ

第33回東京国際映画祭コンペティション部門が発表された時、私は度肝を抜かれました。なんとダルジャン・オミルバエフの新作が選出されていたのです。ダルジャン・オミルバエフといえばカザフスタンのブレッソンとかタルコフスキーと呼ばれている伝説的な監督。トルストイの「アンナ・カレーニナ」を映画化した『ショーガ』はカイエ・デュ・シネマの年間ベストに選出されている。私も2021年に映画監督の不思議な旅路を描いた『ザ・ロード』とドストエフスキー「罪と罰」を映画化した『ある学生』に衝撃を受けて、2021年上半期ベスト旧作編に選出している。そんな彼の新作が三大映画祭をスルーして東京国際映画祭でワールド・プレミア上映されるとは市山尚三の選定眼に痺れます。

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【東京国際映画祭】『クレーン・ランタン』ヒラル・バイダロフ物語らない※ネタバレ

昨年、第21回東京フィルメックスでアゼルバイジャン映画『死ぬ間際』が最優秀賞を受賞した。本作を手掛けたヒラル・バイダロフの新作が第33回東京国際映画祭コンペティション部門に選出された。『死ぬ間際』が大傑作だったので期待していたのだが、結果は大いなる失望に終わった。※結末に触れているネタバレ記事なので注意