感想

2021映画

【ネタバレ考察】『水を抱く女』初めて見たよそんな心臓マッサージする人を

博物館でベルリンの都市計画について解説する女性ウンディーネ(パウラ・ベーア)はヨハネス(ヤコブ・マッチェンツ)から別れ話を振られて悲しみに暮れていた。そんな彼女は、カフェでクリストフ(フランツ・ロゴフスキ)と出会い恋に落ちるというシンプルな話ながらも独特な演出が唯一無二の物語を紡いでいく。

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『JUNK HEAD』本作最大の敵、それは「字幕」だ!!

孤高のクリエイター・堀貴秀が独学で7年の歳月をかけて制作し、カナダ・モントリオールで開催されるファンタジア国際映画祭で最優秀長編アニメーション賞を受賞するなど世界的に高く評価されたSFストップモーションアニメ。原案、絵コンテ、脚本、編集、撮影、演出、照明、アニメーター、デザイン、人形、セット、衣装、映像効果のすべてを堀監督が1人で担当し、総ショット数約14万コマという膨大な作業を経て完成させた。環境破壊が進み、地上はもはや人間が住めないほど汚染された。人類は地下開発のための労働力として人工生命体マリガンを創造するが、自我に目覚めたマリガンが反乱を起こし地下を乗っ取ってしまう。それから1600年後。遺伝子操作で永遠に近い命を手に入れた人類は、その代償として生殖能力を失った。絶滅の危機に陥った人類は、地下で独自に進化を遂げたマリガンの調査を開始。政府が募集した地下調査員に名乗りをあげたダンス講師は、調査中に死と隣り合わせになったことで命を実感し、マリガンたちと協力して人類再生の道を探る。

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【CPH:DOX】『シリア・ドリーム ~ サッカーにかけた未来』青春の蹉跌、翳りは続くよどこまでも

まだ言葉もおぼつかない妹に対してキツく英語を教えるFawzi。彼はシリアの難民キャンプZa’atariで暮らしているが未来が見えてなかった。唯一の武器はサッカー。サッカー選手になることで自由を手にしようとストイックに練習していた。もうすぐ、千載一遇のチャンスがやってくる。試合でいい結果を残してスカウトされれば自由が手に入る。意識高い系の彼は、焦燥の翳りを見せながらも来たる日を待っていた。

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【CPH:DOX】『JUST A MOVEMENT』ゴダール『中国女』をセネガルでリメイク

本作は、『中国女』が持つ力を信じ、本作をリメイクすることで、歴史のアーカイブ、思想の継承を行おうとするプロセスを描いている。セネガル映画史にとって、映画は非常に重要なメディアである。あのアフリカ映画の父センベーヌ・ウスマンは小説では、大衆に思想を啓蒙することは難しいと考え、映画に転向していった。識字率の問題や言語の問題を乗り越えるツールとして、視覚メディアである映画が重要視されてきた。

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【ネタバレ考察】『あのこは貴族』「普通」は普通ではないし視認できない

まず、榛原華子(門脇麦)の家庭から語るとしよう。タクシーでホテルにまで送迎される。次の場面では家族のホテル会食が捉えられる。皆、正装で厳かな雰囲気の中、洗練された手つきで料理を嗜む。毛皮を纏うことが世間では炎上に繋がることに対して、まるで野蛮人を追っ払うように嘲笑う。そこへ華子が到着し、婚約者と別れたことを告げる。すると、次の縁談話を持ちかけられる。貴族家庭特有の跡継ぎ、血統の面倒臭い話が空間を覆い尽くす。

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『Jah Intervention』ギニアの俳優ウェルケット・ブンゲからの挑戦状

ブラジル公安フォーラムの調査(2017年)を考慮すると、ブラジルの黒人は依然として人口の半分以上を占めています。2005年から2015年の間に、黒人が殺害された数は18%増加し、これによって私たちは殺人事件の犠牲者の大半を占めるようにもなり、登録された死体の71%を占めるようになりました。「Jah Intervention」は、疲労困憊するまでの象徴的な歩き方です。介入は、ボクシングリングでの巨人の戦いの前に行われる予備的なウォーミングアップを提案する。介入は、半自動武器の弾丸による穿孔の影響を受けたときの、突然の落下を感知するパフォーマーの動きで構成されています。

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【超長尺映画】『ベルリン・アレクサンダープラッツ』シン・ベルリン・アレクサンダー広場

ブルハン・クルバニ監督は、ドイツに適応しようとしてアイデンティティが失われていくアフリカ人の肖像を荒々しく画面に打ち付けている。本作では、アンゴラ、モザンビーク、ギニアビサウ、ガーナと様々なアフリカの国名が出てくる。しかし、それは表面的でその国の内部までは描かれない。本作に登場するドイツ人は、国名こそ知っているが最終的に「黒人」に収斂していき、雑にアフリカ人を扱っていく。主人公フランシス(ウェルケット・ブンゲ)は難民としてドイツに流れ着く。必死になってたどり着いたドイツに夢を抱き、少しでも幸せになろうとするが、ドイツ語はできない上に金もビザもないので、怪しげな労働に手を出さざる得なくなる。地の底にいるものにとって「真っ当な人間として生きる」ことは高嶺の花なのだ。そんな彼は、怪しげな男ラインホルト(アルブレヒト・シュッヘ)に惹かれていく。カルト教祖のように黒人の前に現れて電話番号を書いた札をばら撒く彼。明らかに怪しい男であるが、次第にフランシスは彼に取り込まれていき、危険な仕事に巻き込まれていくのだ。そしてドンドンと「真っ当な人間として生きる」ことから遠ざかっていく。代わりに、ドイツで生きる為にフランシスの名を捨て「フランツ」として生きるようになっていく。