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【ネタバレ考察】『東京自転車節』笑いながら泣き、怒るUber Eats配達員

ポレポレ東中野界隈で話題となったコロナ禍ドキュメンタリー『東京自転車節』があつぎのえいがかんkikiにやってきましたので観ました。本作はコロナ禍で仕事を失った映画監督の青柳拓が山梨から東京へ自転車一台上京し、Uber Eats配達員に挑戦する様子を撮ったもの。町山智浩がラジオで取り上げたこともあり、かなり評判高い映画ではあったのですが、これがかなり困った内容でありました。今回はネタバレ考察として本作を掘り下げていきます。

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【ネタバレ考察】『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』失われたマドレーヌを求めて

James Bond…License to kill…History of violence…

映画館ですっかり擦り込まれること約2年。ようやくダニエル・クレイグボンド最終章『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』が日本公開されました。Twitterでは台風の負けんじと10/1(金)初日に映画館に駆けつけたものの、あまりの微妙さに荒れている人が多数観測された。まさか007で、あの面白そうな予告編でそんな大暴投はないだろうと思ってTOHOシネマズららぽーと横浜で観てきました。確かに、大暴投はなかった。『闇の列車、光の旅』、『ビースト・オブ・ノー・ネーション』のキャリー・ジョージ・フクナガ監督なので堅実な映画作りをしている。だが、その真面目さ故かあまりにも退屈だった。007でここまでつまらなくできるのかと思うほどに退屈だったのです。今回は、そんな悲しい駄作『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』に対してネタバレありで文句を徒然なるままに書いていきます。

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【ネタバレ考察】『空白』誤解の空白、赦しの空白

『ヒメアノ〜ル』、『犬猿』、『愛しのアイリーン』と今、脂が乗っている監督のひとり吉田恵輔の新作『空白』をユーロスペースで観てきました。現在公開中の『由宇子の天秤』同様、正義の暴走を重厚に捉えた2020年最重要作品のひとつでありました。例のごとく、思わぬギミックと笑いに満ち溢れた作品のなのでネタバレあり考察とします。

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【ネタバレ考察】『映画 おかあさんといっしょ ヘンテコ世界からの脱出!』ユーザはマニュアルを読まない

また2作目『映画 おかあさんといっしょ すりかえかめんをつかまえろ!』では、前作がオムニバス形式だったのに対し、一直線の物語に挑戦する。敵役すりかえ仮面(小林よしひさ)が何故イタズラするのかを掘り下げる。その理由が、イタズラをして他者に認知してもらわねば消滅する運命を抱えていたというもので、いじめっこを排除することが平和に繋がらないことを訴えていた。子ども映画の倫理譚は『それいけ!アンパンマン かがやけ!クルンといのちの星』における産業廃棄物問題を始めとして深い領域まで掘り進めており感銘を受ける。また、映像面でもフレームの外側を活用し、ガラピコぷ〜の民が目に映らぬところでどんちゃん騒ぎする様子が描かれている。幼児の眼を信じての演出。スクリーンには草むらしか映ってないのに、幼児たちが爆笑していたのが印象的であった。

さて、今回シリーズ3作目ということで朝イチで観てきました。

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【ネタバレ考察】『オールド』シャマラン最高傑作!ある日本映画のラブレターでは?

M・ナイト・シャマランといえば『シックス・センス』でどんでん返しの人のイメージがついてしまい、毎回その呪縛と闘っているような監督である。だが、実はその呪縛というのは観客の心を縛っているに過ぎず、実は彼は一貫して俺的ハリウッド映画を作り、そのねじ曲がったもう一つのハリウッド映画像が面白さに繋がっている。例えば、国際的にカイエ・デュ・シネマぐらいしか評価していない『レディ・イン・ザ・ウォーター』を例に取る。一見すると、ウンディーネ的話の翻訳や、怪物映画として失敗しているように見える。ある意味、それは正しい。あの映画には怪物はいらなかった。彼は寓話を通じて、多様性と言いつつもバラバラになってしまっている現代人を繋ぎとめようとしたのだ。宗教が、人々をあるベクトルへ向けさせるのと同様。寓話を通じて絆の温もりを描こうとした。と同時に、その絆も禍々しい側面、ある種の陰謀論的危うさをも示唆しており魅力的であった。『ミスター・ガラス』では、シャマランなりのヒーローユニバースを築きあげた。さて、『オールド』はどうだろうか?今回はネタバレありで『オールド』の謎に迫っていこうと思う。

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【ネタバレ考察】『子供はわかってあげない』当事者の危機感ゼロに戦慄する『荒野の千鳥足』

沖田修一監督は深刻な内容をゆる〜く描くのを得意としている。『おらおらでひとりいぐも』では話し相手のいない黄昏に生きる老人の終焉を、イマジナリーフレンドとの掛け合いでユーモラスに描いていた。『横道世之介』では突然、「死」が浮かび上がり、『滝を見にいく』では老人が山で迷子になり生死をかけたサバイバルとなる。さて、最新作『子供はわかってあげない』はどうだろうか?田島列島の同名漫画の映画化。私は原作未読で挑んだのですが、これがトンデモナイ作品であった。

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【ネタバレ考察】『ドライブ・マイ・カー』5つのポイントから見る濱口竜介監督の深淵なる世界

本作は村上春樹「ドライブ・マイ・カー」の映画化であるが、映画の始まりは肉体を交える度に物語る女を描いた「シェヘラザード」である。この引用に私はしびれた。「ドライブ・マイ・カー」は幾ら戦略的に描かれているとはいえ、2013年時点で「男らしさ/女らしさ」を語る手法に古臭さを感じた。村上春樹の女とはこうあるべき論が批判的に描かれているように見えて、彼の本心なんじゃないかと思うところがあった。

映画では、そういった原作にある「男らしさ/女らしさ」の話を巧みに解釈し、2020年代に相応しい普遍的な物語へと昇華している。

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【ネタバレ考察】『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』高橋渉の経済学入門

Twitterでクレヨンしんちゃんの新作がやたらと評判が高い。ヴィジュアル的に、大晦日にやる「笑ってはいけない」シリーズの様な雰囲気がバリバリに染み出していて傑作という雰囲気ではないのだが、絶賛一色に染まっている。監督を確認したら、今回は髙橋渉監督回だった。なるほど傑作な訳だ。彼は、監督デビュー作『劇場版3D あたしンち 情熱のちょ~超能力♪ 母 大暴走!』でシンエイ動画が欲を出して不要と思われるアニメなのに、3D演出を盛り込んだせいで上映時間が43分とテレビ放送2回分レベルの尺となってしまう大惨事の中で、才能を得た者が承認欲求を満たせなかった際に如何にして暴走するかを映画の中で描いた。その後、『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』で胸熱ヒーロー映画としてクレヨンしんちゃんを盛り上げた熱い歴史を持つ監督である。そんな彼の新作を観にいったのですが、これが凄まじい。子ども映画でありながら経済学、政治学について切り込み、トーマス・バッハの様なバケモノや日本の汚職が何故生まれるのかを「尻」でもって風刺してみせた。本記事ではネタバレありで『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』について書いていく。

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【ネタバレ考察】『竜とそばかすの姫』仮面の告白

さて、細田守映画は毎回賛否が別れることで有名だ。大衆向けのヴィジュアルが特徴的で、その特徴から金曜ロードショーで放送されることも少なくない。だが、よくよく映画を観ると倫理的にぶっ飛んでいる部分が多い。『おおかみこどもの雨と雪』は狼との間に子どもを授かってしまった母の育児が描かれるのだが、病院等に相談せず、片田舎女手一つで子どもを育てようとする男性の女性に対する楽観視が問題となった。『バケモノの子』では異世界転生したため、住民登録が不備となっている男が現実世界でたらい回しに遭う様子が描かれている。『未来のミライ』では、主人公のくんちゃんがお尻に異物を入れて欲情する謎の場面が挿入されている。このような異常展開は時たま議論の棚に持ち上げられ賛否両論となる。ただ、これはアニメである。観客を共犯関係に引き摺り込み、倫理を超えたその先を魅せるのがアニメないし映画の役割の一つではないだろうか?そして、その共犯関係になれるかなれないかが細田守映画を絶賛するか酷評するかの境目となっていると考えることができる。私は、『おおかみこどもの雨と雪』は倫理的な部分で大嫌いだったのですが、『未来のミライ』は大好きである。今回、ぶっ飛んだ映画と噂される『竜とそばかすの姫』を観たのですが、確かに狂っていた。細田守はこの映画を作るために、今までの作品が存在したのかと思うほどに集大成だった。というわけでネタバレありで考察していく。